ピノの抹茶味抹茶を飲みながら食べるとどうなるのだろう(美味しさが増すのか打ち消しあうのか)……そうだ! DVDを見よう!
DVDでスリービルボードを見ました。
ネタバレは大いにあると思います。

 

 

     


・2017年公開
・監督:マーティン・マクドナー
・主演:フランシス・マクドーマンド
・第90回アカデミー賞(主演女優賞・助演男優賞受賞)

どっかにサスペンスと書かれてあったので「怖いのか」とビクビクしながら見ていましたが、全然サスペンスではありませんでした。
自分には、ヒューマンドラマって風に感じました。
怖いのが苦手なので(だが苦手なものに自分から近づいていくM体質)グロいシーンがあったらイヤだなって思いましたが、大丈夫でした。
しかし大丈夫とは言っても、暴力シーンや焼死体が若干映ったりする部分があるので苦手な方は要注意です。

結論から言って、すごくよくできた作品だと思います。
とても心を揺さぶられ感動する映画でした。
見ている最中に計5回泣きました。
最後は事件的には解決しないから「あれ? ここで終わり?」と思うかもしれませんが、主人公の中で何かが変わっているなら、それはもうそこでハッピーエンドなのかなって思います。
以前読んだ、ピンクとグレーもこういう終わり方でしたね。

内容は凄まじいのに、BGMがとにかく綺麗で優しくて、この映画が本当は優しくて希望のある作品なんだということが、全て見終わった今ならわかります。
なんせあらすじが

アメリカのミズーリ州の田舎町を貫く道路に並ぶ、3枚の広告看板。
そこには、地元警察への批判メッセージが書かれていた。
7カ月前に何者かに娘を殺されたミルドレッドが、何の進展もない捜査状況に腹を立て、警察署長にケンカを売ったのだ。
署長を敬愛する部下や、町の人々から抗議を受けるも、一歩も引かないミルドレッド。
町中が彼女を敵視するなか、次々と不穏な事件が起こり始め、事態は予想外の方向へと向かい始める……。


↑このような不穏な文章なので、優しく暖かな選曲に拍子抜けしました。
関係ないけど。あらすじって、書くのが意外と難しいんですよね
自分はこのあらすじで期待して見た人は、「なんか違う」って思うんじゃないかな? と感じます
確かにこのあらすじだけを見たら、サスペンスって感じがしますが、この映画を作った人が本当に見てほしいと思っているのはたぶん違う所じゃないかな?
でも、あえてそうやって書いてるのかもしれません。
「忍者は裏の裏を読むべし」ってカカシ先生も言ってるしね
まあ私は現時点では忍者ではないですけどね。(なる可能性を仄めかす伏線)

それでは私が感動して涙してしまったシーンを5つ記録しようと思います。

・娘との最後の会話のシーン
娘、反抗期なのかな? 車を貸せというお願いをされたが、その態度と物言いに腹を立てて、
売り言葉に買い言葉で、思ってもいない言葉を返してしまします。

「歩きゃいいんでしょ!? 別にいい! 途中でレイプされたって!」
「ええ、あんたなんかレイプされりゃいいのよ!」

結果、娘はレイプされて殺されてしまう。
これめちゃくちゃ後悔しますよね。
こんな事があったら……
主人公が後悔してもしきれないほど悔やんでいるのか手に取るようにわかります。


・署長の自殺
もうこれは辛いですよ。死んだ→悲しいなどという単純な感想ではありません。
しかし死んだ→悲しいという単純な悲しさも大いにあります。
奥さんの泣き崩れた姿を見たら勝手に泣いていました。
最後の思い出を湖で過ごした思い出にしたいとか言ってましたが、はっきり言って最後の思い出は「夫が自分たちを置いて自殺した」ってことになるだろうよ。
それでも署長の気持ちもわかるっちゃわかるので辛い所ですね。
この人がまたいい人だから余計に泣けるんですよね…
最初はイヤな奴がおおい映画だなって印象でしたが、最後まで見ると「みんな暖かい人」だったということがわかります。

・署長の残した遺書
署長の死後、主人公に遺された遺書、ディクソンに遺された遺書
主人公からあんな看板を出されたというのに、その来月の看板代を自ら出してくれるとかいう誠意に感動します。
その看板を出すことで、事件を忘れないでほしい。きっと解決できる、という気持ちを感じ取りました。
本当は自分で解決したかったが、先がないのでそれができない。自分には、愛する妻も可愛い娘が二人もいるというのに、それを断ち切って死を選ぶ間際の人間が、ここまで気にかけていたということに自分の仕事に対する責任感がとてもあるところも美しいと感じます。

「手のかかる馬なんて撃ち殺したい」
署長が銃で自殺する前に妻にかけられた言葉です。
馬小屋の掃除が面倒で本当の馬の事を言っただけなんですが、妻がこの先この言葉を言ったことを後悔しなければいいが……(するよね)

・レッドがディクソンにオレンジジュースを渡すシーン
の前に、このレッド・ウェルビーについて語りたい、、この映画一の推しメンがこのレッド
一目見てこう思いました。「……可愛いやん?
光の速さで調べた結果、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズという人が演じていることが分かりました。
顔がめちゃくちゃ可愛い。可愛いメンズを探している人がいたらぜひともこのジョーンズをお薦めさせていただきたいと思います。

えっ もうご存知ですか。それは失礼いたしました。

この映画での彼の名言をここに記します。

主人公「誹謗中傷はダメよね? くそったれとかチンカスなんかも厳しい。そうでしょ?」
レッド「あ、あと…ケツの穴


以上です。

このレッドがディクソンに後にボコボコにされ窓から落とされ入院することになりましたが、同じ部屋にやけどで入院してきたディクソンにオレンジジュースを渡すんですね…
若干イラつきながらも渡して、しかもストローをディクソンの向きに直してあげる
こいつも大概のドmお人よしなんでしょうね。
しかしレッドのこの行動が、ディクソンに「許す」ってことを教えたんだなって思います。

・最後、主人公がディクソンに「ありがとう」と伝えるシーン
ディクソンは署長の遺書に書いてあったを持ったし、それを持って主人公に接し、それが伝わったんだなって思うと泣けてきます。
大体もう成人した大の大人が自分のこれまでの信念を変えるってことがそもそも難しく大変なことなのに、それをやってのけたディクソンはそれだけでスゴイ。
しかしよく考えると、彼を改心させたきっかけは署長の遺書なので、まさかここまで狙って死んだのでは!? と深読みしてしまいます。
こいつが改心することによって事件が解決するとも思えないけど、、ディクソンがやったことは彼と主人公におおきな意味をもたらしたと思います。
ディクソン、めちゃくちゃ嫌なやつでマザコン野郎なのに、こんなに最後いいやつになるとは……
ちなみに私は日本語吹き替えで見ました、ディクソンの声優さんは加瀬康之さんという方で、イナズマイレブンの染岡さんの声を演じていらっしゃいます。ピンクの髪で足からドラゴンなどを出します(どうでもいい情報)

「怒りはさらなる怒りを生じる」
主人公の元旦那のガールフレンド(19)から教えてもらったこの言葉は、この映画の重要なキーワードになっていると思います。
「みんながみんな敵じゃない」 これは新所長の言葉
このことに気付き始めた主人公は、きっとアイダホに行くまでに、殺人をすることはしないのではないだろうかと思えます。

素敵で、優しい気持ちになれる映画でした。

 

私が「映画を見た」というと決まって夫が「エロいシーンはあったか」などという低俗な質問をしてくるのですが、もしこの映画をそのような邪な理由で見るかどうか決めかねている人がいましたら参考になるかと思い、書かせていただきます。

直接的なエロいシーンはないが、エロを仄めかすシーンはある。

以上です。

参考になることがありましたら嬉しく思います。

PS.警察署に放火した主人公が捕まらないのがスゴイw
ツキが回ってくるぞ! 俺にはわかる! て言われた直後の火炎瓶直撃には笑いを禁じ得ない……。
そりゃねーよ