今日は土曜日なので横の話を。

長いので時間があるときにでもどうぞ。

 

皆さんが税理士になると、

ハウスメーカーから土地活用の営業を受けるかも知れません。

 

いや、アナタが顧客になるんじゃなくて、

アナタの顧客の中に相続対策等で必要な方はおられませんか?

 

こういう形で打診を受けるのです。

その際にちょっとご注意を、というケースを紹介します。

 

なお、今回は、事務所回りをしている営業マンと関わる機会がありました。

それによって思い出したこと等々、話を進めます。

 

 

1.一番大切なこと

 

基本的にハウスメーカーの物件はものすごく高額です。

都心では、不動産単体で回らないくらいの数字が出ています。

 

ご自身(税理士)の収益不動産に関する知識が薄い場合、

最初から参考データなしで顧客に投げてしまうリスクがあります。

 

両者がかち合った場合にはどうなるでしょうか。

そら恐ろしい限りです。機会を見付けて知識を仕入れて下さい。

 

 

1.営業マンの押しに注意

 

基本的に営業マンは断られてナンボの世界です。

成約率なんて1桁を割ると推測します。

 

近年の営業マンは学んでいる方の割合が多く、

横断的な知識をお持ちです。

 

そこへきて、税務の専門家(顧客にとってはカネの専門家)が、

有耶無耶な返事などせぬよう。判断不能なら断ることが大前提です。

 

 

1.税務の知識だけに偏らない

 

相続対策を含む不動産投資は、トータルの知識が必要です。

税務の知識など全体のうちの僅かです。

 

そこに来て注意したいのは「相続税対策」に偏らないこと。

相続税対策をして相続対策がおろそかになる、要注意です。

 

また、税金を減らすことばかり注力して納税資金が枯渇する。

税務の中でもバランスを取らねばならぬこともあります。

 

そして、土地活用をした結果、資産の価値を大幅に下げてしまう。

結果として「下の下策」となるケースも多々あります。ご注意下さい。

 

 

1.土地活用では財産は殖えない(ふえない)

 

土地活用は、既存の土地に賃貸物件を建てることで評価額を減らし、

債務の増加と併せて相続税額を減らすものです。

 

ただ、土地活用は財産が殖えない状態で債務を負い、

数十年にわたって返済を続けるもの。

 

失敗すれば対象土地を失います。

 

当方は別の場所に中古の物件を購入し、

儲かれば我が物に、万が一の場合には切り離せるようにしました。

 

これによって相続税対策はもちろん、

土地活用に失敗したらすべてを失う軛(くびき)から逃れました。

 

 

1.ハウスメーカーの新築物件はとても高額

 

これ、タイトルのとおりです。

 

壁ガー、遮音性ガー、断熱ガー、耐震性ガー…と諸々押してきますが、

当人が住むワケではないので最低限でよいのです。払える家賃も限度というものが。

 

ヘタに初期投資を増やして利回りを落としてしまっては本末転倒です。

商売として成り立たないのに税対策まで手が伸びるハズがありません。

 

ローンに追われてカツカツ、耐えきれなくなって売るのが関の山です。

こんなスキームを組んでは顧客の毒になるだけです。

 

ヘタにいじらないでそのまま売る、

こちらの方がおトクなケースもあるのです。

 

 

1.そもそも新築物件自体どうなのよ

 

投資家の間では、新築物件は避けるべきものとされています。

その理由は諸々あるのですが、幾つか挙げましょう。

 

例えば、新築はそれまでの入居実績がない、

最も高い時期の家賃でシミュレーションを組んで失速する、

 

新築後は価値下落(資産価値も家賃も)のスピードが最も早い時期である、

利回りに対する概念が中古物件とは違う、等々です。

 

また、当初は家賃が高く取れて修繕費も掛からない、

でもね、トータルではどうなのよ…これが判りづらいのです。

 

 

1.ウソッパチのシミュレーション…か?

 

ハウスメーカーのシミュレーションは、作り手の恣意性が含まれます。

真実性の原則(企業会計原則一)は必ずしも守られていません。

 

それはウソではないのですが、正確なものでもありません。

そもそも彼らは歩合で喰っている連中です。オイシソウに見えることが第一です。

 

彼らは関わっている仕事の関係上、現場の様々な情報や知識は持っています。

しかし「責任を持って自ら賃貸業を営んでいるプレイヤー」でありません。

 

素人なんて口八丁手八丁でなんとでも言いくるめられますよ。

適当に茹で上がったら、あとはこっちのもんでさね。

 

 

1.失礼な対応を受けたことについてご報告

 

今回は事務所関係で営業を受けて、

結局実家のプランを組んでくれる流れになったのですが…

 

当該営業マン、こちらにその気がないとみるや約束も果たさず逃亡。

途中で「ここからは本気の人にしか教えられません」だって。

 

だからさ、こっちゃ最初から買わねーよって言ってんじゃん。

なのに半端にくすぐって「やーめたっ!」じゃ心証悪いのなんの。

 

結果としてこちらの態度も段々悪くなるんだけどね。

「このメーカーは使わねぇし紹介しねぇぞ」ってね。

 

もしハウスメーカーを使うなら銀行を通して下さい。

つまり、銀行の紹介を受けて進めて下さいということ。

 

営業マンと個々のユーザーとの一対一じゃ分が悪すぎます。

銀行を通せば、少なくも銀行の監視下に入りますし、看板も絡みます。

 

つまり、ええかげんなことができないよ、ということです。

銀行も「スルガ事件」があってからは気が引き締まっています。

 

そもそも駆け込みの営業なんてどの業種でも対応禁止です。

素人が一対一で応対するには分が悪すぎます。

 

責任能力に欠けるケースもあるのでご注意下さい。

 

 

では、佳き週末を。