(鎌倉荏柄天神。ここの境内にはリスのつがいが。実は外来種で大繁殖中らしい。)

 

 

今回は、マインドセット関係の最終話をお話しします。

テーマは、試験の基本的なルールに関してです。

 

途中で切ると半端になるので一気に最後までアップしました。

長文ですが、よろしくお付き合いください。

 

では、今回分、以下どうぞ。

 

 

1.試験はただ正解を出せばよいというものではない

 

試験は、ただ正解を出せばよいというものでもありません。

 

「解答作成の基本的なルールの理解」や「合格するための答案作り」、

そういうことも求められます。

 

当方、それを忘れたことで合格から遠ざかった方をたくさん見てきました。

普段の努力がちょっとした注意不足で吹っ飛んでしまうのです。

 

本件は、これから勉強する大前提として考えて頂きたいものばかりです。

そもそも答案作りが何を目的とするものか、それを認識して下さい。

 

なお、今回は中心軸を述べるにとどめ、

詳細は後日機会を捉えてお話しします。

 

 

1.問題の指示によるもの

 

殆どの本試験では、問題の本文(冒頭の条件設定の数行の部分)にて、

以下の一文が必ず入っていると思います。

 

(1) 「××に係る○○税額を」

(2) 「計算過程を明示して答えなさい」

 

上記はそれぞれ何を要求しているのでしょうか。

まずは(1)から確認します。

 

 

1.××に係る○○税額を求めよ

 

(1)は、それぞれの科目における最終値を要求するものです。

よく「最終値は間違っていても記入しろ」という根拠がこれです。

 

要求を満たさない答案でも合格する可能性はゼロではありませんが、

その率はガタ落ちです。指示を逸脱しているのですから仕方ありません。

 

ということは、自動的に2時間で一度は最終値まで到達せよということであり、

無理なら仮定の数字を埋めてでも最終値まで連続させることが必要です。

 

 

1.計算過程を明示して答えなさい

 

(2)は、計算の根拠を示せということであり、

同時に、読める文字で書けという意味でもあります。

 

当然、計算過程は税法に依拠した判定や計算法で埋めること、

省略などせず、誰にでも読める状態で(明示して)答える必要があります。

 

この場合、省略は最大の愚策であるとしかいえません。

そのクセをお持ちの方は早々に断ち切って頂きたいと思います。

 

上記は他にも複数の論点がありますが、また後日お話ししようと思います。

今回は省略の問題点に限りアウトラインで示しておきます。

 

【省略答案の問題点】

 

(1) 採点官に「読めるものなら読んでみろ」と挑戦状を叩き付けていること。

(2) マイルールに過ぎず意味不明。結果、採点官に過重な負担が掛かること。

(3) 独自の略称は法律用語でも何でもないこと。ただのメモであること。

(4) 「小技の切れ」では正攻法で戦うライバルに敵わないこと。

(5) 小手先のテクニックに走ること自体小賢しく見え、とても見苦しいこと。

(6) 採点官の善意に頼っていること。読んでもらえるかどうかすら判らないこと。

(7) 採点は比較も含めて行われること。

(8) 合格判断の基準は「デキる人」が指標となること。

(9) 合格答案の1要素は採点官が無駄に読み込む必要のないものであること。

 

省略ありきの答案は「答案そのものではない」という理解でよいと思います。

ド直球で言えば「バカなことは早々にヤメろ」ということ。

 

別に省略したって用紙も時間も大して稼げませんし、

採点官の心象を悪くするマイナス面の方か格段に立つ話です。

 

また、もちろんそういう性質の科目なら仕方ありませんが、

安易にそれを推奨する講師は信頼しない方がよいと思います。

 

何でかって?

 

合格答案の作成法を教えるのが講師だからですよ。

自分の使命すら棚に上げて低レベルの受験生に基準を置くなんて。

 

省略推奨なら、教材から何から省略形で表示しないと矛盾します。

教材と講師の言が相反していたら信頼できるはずもありません。

 

一体どちらが本当の話なんでしょうか。

その矛盾を抱えたまま本試験会場に向かうなんて。

 

「場合によって使い分けるんだよ」って?

ナニ?答案の作り方が二重にあって二倍勉強しなきゃならないの?

 

 

この話、恐らく過去に省略をして合格した経験のある方は

感情的な反発をすると思います。

 

しかし、こちらも30年近く蓄積した経験を元に言葉を吐いています。

従って、次の本試験も省略で合格できると思うなら自己責任で…

 

そのように判断して頂ければ結構かと存じます。

そういう方の思想信条を捻じ曲げてまでとは考えておりません。

 

 

1.デキるライバルは必ずいる

 

ただ、絶対にお伝えしなければならないことが。

 

よっぽどでない限り、省略なしで解答作成できる方は必ずおられます。必ずね。

どんなに難易度が高くとも努力で乗り越える方はおられるのです。

 

そういう方の多くは皆さんと能力的に差があるのではありません。

向き合い方の違いだけであり、基本に忠実なだけです。

 

そして、合格のベンチマーク(基準、指標)は、そういう方に置かれますし、

ほぼ確実に合格ラインに乗る方々ばかりです。

 

 

【追 記】

 

今日も確認です。

試験は勝負事です。答案作成に関してもしかり。

 

省略好きの方は「間に合わないから致し方なし」を前提とする前に、

省略なしでどこまで努力をしたのか、ご自身に再度問うて下さい。

 

限界を超える部分につきそうせざるを得ないのであれば致し方ありません。

 

しかし、それなしに省略答案を作成したのでは、

「安易にその途を選択し、勝負の質を自ら下げた」としかいいようがありません。

 

特に感情的に反応した方は要注意です。

1年を掛けた大切な勝負へ臨むに当たり、スキがあることを認識してください。

 

もし同じ条件で省略を掛けない方の答案を見ることがあれば、

頭を殴られたくらいのショックに見舞われると思いますよ。

 

そういう方は本当に完璧な答案を作りますから。

 

自分がどれだけ低質の答案を作っており、その言い訳のために感情的になっている…

恥ずかしさに身悶えするかも知れません。

 

 

 

 

 

…今回で【開講当初のマインドセット】は終わります。

お付き合い、ありがとうございました。

 

次回から【ドリル学習の功と弊害】をお話しします。

 

 

 

【目次:開講当初のマインドセット】

 

 

 

続きはまた次回。

今回もお付き合い、ありがとうございました。