©臼井儀人

 

 

宗教勧誘と並んでタチの悪いのが不動産の勧誘電話です。

 

こちらに用もないのに掛けてくるだけでなく、

掛けてくる人間の質が低く、しつこいことにウンザリします。

 

最近は「家で眠っているもの買い取ります」、これが増えましたよね。

同類項のお話しです。

 

今回も長文です。よろしくお付き合いください。

 

 

 

1.迷惑電話はネット検索ですぐわかる時代です

 

当方、手持ちの不動産があるため、

業者から「売らないか」との勧誘電話が1日数本掛かってきます。

 

不動産は登記簿を備える必要があるため、個人情報なんて関係ありません。

電話帳と突合すれば一発ですし、そもそも名簿が市中に出回っています。

 

掛けてくる側の99%は質の低いボッタクリ業者であり、

海の中なのに泳ぎ回っていないと溺れ死ぬサメのような連中です。

 

ただ、最近は便利になったもので、ネットで番号を検索すれば、

迷惑電話の識別が簡単にできるようになりました。

 

 

1.下手なテッポは数を打っても当たりません

 

当方宛に電話を掛けてくるのは、

大抵、ドンドン採用され、ドンドン退職して行くオニイチャンたち。

 

要するに、業者の「捨て駒」たちです。

難儀なのは、彼らがマニュアルどおりにしか話のできない人だということ。

 

直球で言ってしまうと「素人だ」ということです。

当方と話をしても、何のメリットもない人々です。

 

不動産業界の慣習として「テレアポ」は昔からある方法ですから、

当方がこれ自体を責めることはありません。

 

しかし、ニーズもなく説得材料もなく、ただ「売れ」、しかも「安く」、

他人様の時間を奪うだけのテレアポは、ただの迷惑です。

 

彼らがたった一発の弾を命中させるために、

どれだけの弾を撃ち、時間と労力を無駄にしているでしょうか。

 

 

1.彼らの言い分(テンプレ)

 

で、当方によく掛かってくるのは区分所有マンションの売り。

父親から相続したワンルームマンションです。

 

金額がこなれているため手が出しやすく、

右から左に流して儲けを出すには最適だからです。

 

では、頼まれもしないのに彼らが何を言うか。

大抵は同じなんですが、以下に列挙します。

 

・老朽化したマンションを持ち続けてもコストにしかならない

・東京オリンピック経過後は暴落するから売るなら今しかない

・もし亡くなった場合には現金化できず「争続」の原因となる。

・近年新築が大量投入され、中古相場は値崩れしている。

…その他のマイナス要因を幾つも列挙します。

 

…あっそう…そりゃぁ大変れすね…

当方にそれ以上の感想は出てきません。

 

 

1.抱腹絶倒のテンプレ(ゲラゲラ)

 

さらに、こういうケースも多数。

「今ここにアナタの物件を購入したい方が待っておられます」と。

 

つまり、今ならすぐに物件を処分できる、

決断するなら今すぐここで、この呈示金額で、こう煽るワケです。

 

そんなときはこう返します。

「直接お話したいから電話口に出してくらさいな。」

 

オニイチャンたちは狼狽え(うろたえ)ます。

そんな人、そこにいるはずがないからです。

 

マニュアル読み上げて笑わせてどうすんだよ。

安っぽい接客マニュアルをそのまま使わねぇで少しは考えろよ。

 

 

1.ヤツらの呈示する価格を公開します

 

では、ヤツらは区分所有マンションを幾らで売れと言ってくるか。

ズバリ「100万円ならいいよ。」

 

「イマドキこれ以上の金額で売れることなどない。」

「この金額でも出せるギリギリだ。」

 

こうも仰るのです。

 

で、当該物件、相場で幾ら程度の売り広告が出ているか。

350~400万円です。当方が知らないはずがありません。

 

ちょっと知っていりゃあポータルサイトですぐ確認できる世の中です。

それを差し置いて100万円とは、如何にも人を馬鹿にした話です。

 

 

1.ヤツらはこうして儲けている

 

要するに、ヤツらは100万円で仕入れて相場で売り、

その利ざやで稼ぐということ。

 

アポ電で無知な人(特に年寄り)をダマして、

本来所有者の懐に入るべき利益をsteal(ドロボウ)しちゃうワケです。

 

その行為と特殊詐欺のどこに相違点があるのかとも思いますが、

合法的なドロボウという言い方がピッタリです。

 

瀬取りとはちっと違う、

相手をダマして儲ける新手の詐欺みたいなもんでしょうかね。

 

 

 

1.断ることに正当な理由など要らない

 

そもそもセールスの電話なんて出る必要、これっぽっちもありません。

出たとしても、断る理由に正当なものなど必要ないのです。

 

迷惑なら迷惑だ、

その一言で終わればよいのです。

 

そこを「××があるから」などと正当な理由を探して引き延ばしてしまうため、

相手に付け入る隙を与えてしまうのです。

 

「行けたら行くよ!」的な曖昧な返答は無駄な一手です。

「ウッセェバーカ!アホアホアホ!」と言いたい気持ちを抑えることも大切です。

 

コンタクトする時間は短ければ短いほどよいので、

相手が食い下がろうと、話の途中だろうと、さっさと切りましょう。

 

アポ電なんて断られるのが仕事ですから。

アナタと出遭うまでに何百本も切られています。遠慮なくどうぞ。

 

 

1.不動産関連、迷惑電話の対処法

 

それでもしつこかったり、変な時間に掛かってくるようであれば、

各都道府県の統括部署に電話をして下さい。

 

ちなみに、不動産業協会(宅建士や不動産業の協会)では、

以下のようなページを設けています。

悪質な勧誘電話(公益社団法人 全日本不動産協会)

 

実際は、各都道府県毎、以下のリンク先へ24(通報)して下さい。

 

 

それを超えて悪質ならば、

地元の警察の生活安全課にお電話を。

 

110番の方がいいのかな。

110番経由の場合には、必ず動く必要があるらしいですから。

 

知り合いの不動産業者の情報によれば、

悪質業者は宅建業関係の通報より警察への通報を恐れるとのこと。

 

理由は忘れちゃったんだけど、

警察は実力行使するからうんたらかんたらだったと思います。

 

で、それが犯罪扱いになっちゃうと商売遂行に非常にマズいから、

業者はとても嫌がるとのこと。

 

結局、ポリスメンの登場は一つの客観的な事実が形作られ、

宅建業者の威迫行為等(=処罰対象)に結びつけやすいことがキモのようです。

 

なお、悪質さっていうのは1本や2本程度の電話じゃないからね。

協会のホームページに書いてあるレベルですから。念のため。

 

 

1.参考例

 

長くなってしまったので、以下は簡潔に。

税理士事務所の場合。テレアポに頼まないでも商売が上手く行くツールの1つ。

 

例えば、独立開業を目指す場合。

以下のようなページが参考になると思います。

 

少なくも、アドバイスとか話のネタにはなろうかと思います。

 

バードレポート 第753

 

 

古来よりの地道なやり方を貫くのも大事です。

 

しかし目指すものがあるならば、

貴重な時間、もっと有効に使いましょう。

 

尻切れ御免。

 

 

 

続きはまた次回。

今回もお付き合い、ありがとうございました。