アークス総合会計事務所のブログ -12ページ目

アークス総合会計事務所のブログ

ブログの説明を入力します。

取引先から回収できない売掛債権がある場合、一定の要件を満たせば貸倒損失を損金算入することができます。
それでは、税務上貸倒損失が認められるにはどのような要件を満たせば良いのでしょうか。
今回のブログでは貸倒損失の損金算入の要件について記載致します。

1.貸倒損失を損金算入するには

貸倒損失が税務上認められる場合は下記の3つに分けられます。
その内、(2)と(3)は損金経理することが必要です。

(1).法律上の規定による貸倒れ

【損金算入要件】
・更生計画認可の決定または再生計画認可の決定があった場合
・特別清算に係る協定の認可または整理計画の決定があった場合
・債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その債権の弁済が不可能であると認められる場合
(この場合には、債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額を損金算入します。)

【損金算入時期】
上記の事実が発生した日の属する事業年度

(2).事実上回収不能による貸倒れ

【損金算入要件】
債務者の資産状況や支払能力からその全額が回収できないことが明らかになった時に損金経理する場合

※担保があるときは、それを処分した後でなければ損金算入することができません。

【損金算入時期】
全額回収できないことが明らかになった事業年度

(3).一定期間取引停止後弁済が無い場合の貸倒れ

【損金算入要件】
・債務者との取引を停止した時や最後の弁済の時のうち最も遅い時から1年以上経過した時に損金経理する場合
・同一地域の債務者に対する売掛債権の総額が取立費用より少なく、支払を督促したにもかかわらず弁済が無い時に損金経理する場合

※上記の事実が発生した場合、その債務者に対する売掛債権について、その売掛債権の額から備忘価額を控除した残額を損金経理することにより損金算入することができます。
これらの場合の対象になる金銭債権は、営業活動により生じた売掛金や未収入金に限られます。
そのため、固定資産の譲渡による未収入金、貸付金及び未収利息は対象になりません。

【損金算入時期】
取引を停止した時もしくは最後の弁済時のうち最も遅い時から1年以上経過した日を含む事業年度

2.まとめ

今回のブログでは貸倒損失の損金算入の要件について記載致しました。
長期にわたって回収不能な金銭債権がある場合はまず回収努力が必須となり、それでも回収できない場合は税務処理を検討することになります。
回収努力のプロセスとその結果を社内記録として保管し、税務調査のときに説明できるようにしておきましょう。

[参考URL]
貸倒損失のキホンがよくわかるQ&A_エヌ・ジェイ出版販売:「http://www.njh.co.jp/magazine_topics1/at42/」