今回のテーマは、「中小企業投資促進税制による節税」です。
この税制は、企業の投資行動を加速化させ、民間投資を活性化させるために創設されました。
今回は、この制度の概要をご紹介させて頂きます。
1.中小企業投資促進税制の概要
この制度は、青色申告書を提出する中小企業者等が機械装置等の対象設備を取得又は製作等した場合に、下記のいずれかを選択適用できるものです。
(1)取得価額の30%の特別償却
(2)取得価額の7%の税額控除
また、「生産性向上に資する一定の設備」については、上記よりも有利な上乗せ措置の適用を受けることができます。
上乗せ措置を適用した場合、下記のいずれかを選択適用できるものです。
(1)取得価額の即時償却
(2)取得価額の10%の税額控除
「特別償却」と「税額控除」については、前回のブログをご参照下さい。
2.適用要件
(1)適用対象者
この制度は、青色申告書を提出する中小企業者等が対象となりますが、具体的には下記のような法人・個人・組合等が該当します。
(2)適用対象資産
中小企業投資促進税制を活用する上で、特に注意すべき点が、資産が適用対象資産に該当するかどうかです。
下記の設備を平成29年3月31日までに取得する必要があります。
また、上記の上乗せ措置が適用される「生産性向上に資する設備」とは、下記のいずれかの設備となります。
また、必要な手続きを取らないと上乗せ措置が適用されませんのでご注意下さい。
・先端設備…機械装置、サーバー用電子計算機、試験又は測定機器、一定のソフトウェア
【手続の流れ】
一般的に設備メーカーから証明書を取得して証明する必要があります。
・生産ラインやオペレーションの改善に資する設備…機械装置、測定工具・検査工具、一定の電子計算機、一定のデジタル複合機、試験又は測定機器、一定のソフトウェア
【手続の流れ】
投資計画を策定して、その内容を税理士や公認会計士に確認を取り、その後、経済産業局の確認を取る必要があります。
~注意点~
これらの対象資産が下記に該当する場合は、この制度の適用が受けられなくなります。
・中古資産であった場合
・業務以外で使用する場合
・稼働していない場合
また、この制度は指定事業に使用した場合のみ適用可能となるため注意が必要です。
3.まとめ
今回のブログでは、中小企業投資促進税制(上乗せ措置含む)をご紹介させて頂きました。
前回のブログでもご紹介しましたが、中小企業投資促進税制は、特別償却(即時償却)と税額控除のどちらが自社にとって有利になるかを判定する必要があります。
自社にとって有利な方法を判定してから投資活動を行うことが、節税に繋がりますので是非検討してみてはいかがでしょうか。
【参考URL】
1.国税庁HP「No.5433 中小企業等投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)」
https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5433.htm