今回の節税方法のテーマは「減価償却資産」です。
減価償却資産は取得時と償却方法により節税が可能となります。
一口に減価償却資産といっても金額が大きなものと小さなものに分かれますが今回は金額の大きいものに係る節税方法を紹介いたします。
この方法は、以前のブログで紹介しました「お金の支出を伴わず、永久的に税金を減らす節税」に該当します。
1.取得時による節税
減価償却資産を取得した場合のその取得価額は基本的には購入代価に購入費用を加算した金額になります。
この購入費用について取得価額に含めなければいけないものと取得価額にふくめなくてよいものがあります。
そこで取得価額に含める金額をいくらにするかで節税することが可能となります。
方法としては減価償却資産の取得価額に含めなくて良いものをその年の費用にすることでその年の利益を圧縮して節税を図るものです。
方法としては減価償却資産の取得価額に含めなくて良いものをその年の費用にすることでその年の利益を圧縮して節税を図るものです。
以下がその区分と具体例になります。
・取得価額に算入すべきもの
(1)購入代価(資産そのものの価額)
(2)購入・事業供用のために要した費用(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税など)
・取得価額に算入しなくて良いもの
(1)不動産取得税又は自動車取得税、登録免許税その他登記や登録のために要する費用
(2)建物の建設等のために行った調査、測量、設計、基礎工事等でその建設計画を変更したことにより不要となったものに係る費用
(3)いったん結んだ減価償却資産の取得に関する契約を解除して、他の減価償却資産を取得することにした場合に支出する違約金
(4)減価償却資産を取得するための借入金の利子(使用を開始するまでの期間に係る部分)
(5)割賦販売契約などによって購入した資産の取得価額のうち、契約において購入代価と割賦期間分の利息や代金回収のための費用等が明らかに区分されている場合のその利息や費用
【具体例】購入代価 1,000万円、取得に係る費用100万円(購入手数料60万円 不動産取得税40万円)で定額法5年で償却する場合
(1)取得に係る費用100万円の全額を取得価額に含めた場合のその年の費用の金額
(1,000万円+100万円)÷5年=220万円
(2)取得に係る費用100万円のうち取得価額に含めなくて良い不動産取得税40万円を損金経理した場合のその年の費用の額
(1,000万円+60万円)÷5年+40万円=252万円
(3)(1)と(2)の差額
252万円-220万円=32万円
この場合、(2)の方法を採用した場合のほうが32万円の利益の圧縮を図れます。
2.償却方法による節税
減価償却資産の取得価額が決定したら償却方法を選定して一定の期間に渡り費用を期間按分していきますが、償却方法は主に定額法と定率法というものがあります。
定額法・・・償却額が一定となる方法
定率法・・・償却額が逓減していく方法
定額法でも定率法でも最終的に費用となる金額は同額になります。
ただし、定率法のほうが購入当初の償却金額が大きくなり、早期に利益が圧縮され支払う税金が少なくなります。
したがって、定率法を採用した方が購入した期にキャッシュが多く残るため、一般的には定率法のほうが節税になります。
【注意点】
減価償却資産の償却方法は税法上、建物と無形固定資産は定額法しか選定できませんが、それ以外の資産(器具備品、機械装置など)は原則定率法です。
したがって、器具備品などは特になにもしなければ税法上は定率法が選定されますが、予め税務署に届け出をすることで定額法も選定できます。
3.まとめ
今回は減価償却資産に係る節税ポイントとして「取得時」と「償却方法」に着目して紹介させていただきました。
今回のブログを機に一度取得価額に算有する金額や償却方法の選定を検討してみてはいかがでしょうか。