交際費に関する節税対策 | アークス総合会計事務所のブログ

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交際費は一般的に、仕事を円滑に進める上で必要不可欠な費用です。
この交際費を上手く活用することによって節税が可能となります。
なぜなら、費用を計上すれば利益が減り、その結果支払う法人税が少なくなるためです。

今回は、交際費の節税対策を行う上での注意点をお伝え致します。

1. 交際費とは

税務上での交際費は「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」と定義されています。

つまりは下記の要件を全て満たすものが交際費となることが判例によって示されています。

(1) 「支出の相手方」が事業に関係ある者等であること
(2) 「支出の目的」が取引関係の円滑な進行を図ることであること
(3) 「行為の形態」が接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為であること

※萬有製薬事件の東京高裁判決(平成15.9.9・税資253号9426頁・TAINS Z253-9426)より

2. 節税対策上の注意点

上記で記載した交際費を使って対策する際に気をつけることは主に3つあります。

(1) 交際費による節税対策は、前回のブログでいう「支出があり、永久的に税金を減らす方法」に当てはまります。

下記の図は、節税対策によって利益を200万円から100万円に抑えたケースです。

税率を40%と仮定した場合、減少した税金は40万円であるのに対し、手元のお金が60万円も減少してしまいました。

つまり、節税対策を行ったにも関わらず、結果差額分20万円の損をしていることになります。
節税対策のために支出したお金が無駄な出費にならないかどうかを予めよく検討する必要があります。

(2) 交際費は、関わった相手先によっては経費にできるものとできないものがあります。
例えば、会社の社長が個人的に友人と食事した際に、会社の経費にならないのに交際費として計上していた場合、これは社長への給与とみなされてしまいます。

この場合の役員報酬は、税務上の費用化の条件である定期同額の要件を満たさないため、損金として認められません。
そうなれば、その部分に源泉所得税がかかるだけでなく、さらに延滞税なども発生してしまう恐れがあります。


(3) 交際費を損金として算入するには下記の2つの方法があります。
「交際費800万円までの全額を費用として処理する方法」と、「接待飲食代の50%までを費用として処理する方法」です。

税法上の中小企業はどちらの方法も選択できますが、大企業は「接待飲食代の50%までを費用として処理する方法」しか選択できません。
つまり、交際費は損金算入額に上限があるため注意が必要です。

3. 上記の2-(3)より、全額を損金にすることは認められないため、そもそも交際費に含まれないものを区分することが大切です。

下記の取引は交際費には含まれないものの一例です。

(1) 福利厚生費
 社内行事に際して支出されるもの
例)従業員又はその親族への御祝儀や御香典

(2) 広告宣伝費
 「一般消費者」という不特定多数に対する贈答品
 例)自社入りのカレンダー、ティッシュ、うちわ、タオル等
 なお、単価が3,000円以下のものに限ります。

(3) 1人5,000円以下の社外の人との接待飲食代
上記飲食代は交際費から除くことができます。
このとき、相手先とその関係や何人で食事したのかを明記する必要があります。

交際費については気をつけることがたくさんありますが、節税対策としては使いやすいものですので、ルールをよく理解してぜひ節税に役立てて下さい。

【参考URL】
国税庁HP「交際費等の範囲と損金不算入額の計算」
https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5265.htm