今回のブログでは「国税の猶予制度」について掲載させていただきます。
1.制度の概要
納期限までに国税を納付していない場合には、納付するまでの日数に応じて延滞税がかかるほか、財産の差押えなどの滞納処分を受けることがあります。
ただし、国税を一時に納付することが困難な理由がある場合には、税務署に申請することにより「国税の猶予制度」を受けることができる場合があります。
この猶予制度には、「換価(売却)の猶予」と「納税の猶予」の2つがあります。
2.換価(売却)の猶予について
換価(売却)の猶予とは、すでに差し押さえられている「財産の売却」が猶予される制度です。
この猶予が認められた場合、1年以内の期間に限り猶予を受けることができます。
さらに猶予の延長が認められた場合には、最長で2年間この制度の適用を受けることが出来ます。
このほかにも次のような効果があります。
(1)差押えによって事業や生活が脅かされるおそれがある財産は、差押えが猶予又は解除される場合があります。
(2)猶予期間中の延滞税の一部が免除されます。
3.納税の猶予について
災害や病気又は事業の廃止などによって、国税を一時に納付することができないと認められる場合などに「納税」が猶予される制度です。
納税の猶予が認められた場合、納税の猶予期間は、換価の猶予が認められた場合と同様となります。
また、次のような効果があります。
(1)新たに差押えや滞納処分の執行を受けません。
(2)既に差押えを受けている財産がある場合には、税務署に申請することにより、その差押えが解除されます。
(3)猶予期間中の延滞税の全部又は一部が免除されます。
4.国税の猶予制度を受けるための手続きについて
猶予の申請の手続きは、下記の図のようなフローとなります。
5.各猶予が認められない場合について
国税の猶予制度は、税務署の審査により認められない場合があります。
また、換価の猶予が許可された後に、一定の場合には、猶予が取り消されたり、猶予期間が短縮されることがありますので注意が必要です。
【参考URL】
国税庁「猶予の申請の手引き」
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sonota/yuyo-tebiki/pdf/01.pdf