先週はずっと中国向けカニの輸出と格闘していました。


「だって突然送るって言い出すんだもの~。」


と言いたいところですが、仕事ですもの妥協はしません。


ロシアで捕獲されたズワイガニの爪や足を中国で皮むきするために輸出します。


2国間の単純取引でなく、第3国で採取されたものを、相手国に委託加工のために輸出し、再輸入するという、3ひねりされた案件です。


カニは一度に大量に捕獲できませんので、今年の前半から半年ほどかけて仕入れ、冷凍して保管します。


今年度の販売量が確保できたら、輸入時期が需要ピークに合うように、中国に輸出します。


まずは、冷凍ものということで管理が大変。


なおかつ、北海道からの船便がこの時期ピークを迎え、どこもかしこもキャンセル待ちの状態です。(道内の冷蔵庫も空きは全然ないようです…地域ならではですねぇ)


そういうわけで、一度東京や横浜にトラック輸送して、路線の充実している港から船積みをすることになります。


ただし、中国向け水産加工品は、中国の国内法で日本の認可を受けた加工・保管場所で取り扱われたもののみ輸入を認められるという規則があり、そのことを証明する衛生証明書を取得しなくてはなりません。


日本産だとそこまでややこしくはならないのですが、今回はロシア産ということでかなり苦労しました。


本来ならロシアから輸入される際に、輸入許可書もしくは食品等輸入届が提出されているはずなのですが、今回それが輸入元に保管されていなかったのです。


原産地の不明な密輸品なら、中国への輸出はもちろん、正式な国際取引に乗せることは認められません。


衛生証明書を作成する各地保健所も、原産地証明書を発行する商工会議所も、そのことは十分わかっているので、ロシアからの輸入を証明する書類がもとめられ、今回それをだせ!いや、ない!の応酬で苦労しました。


結局、買い付けた商社が発行した輸入元証明書と買い付けごとに受け取った原産地証明書(単なる伝票)をすべて提出することで、衛生証明書をまずゲットできることになりました。


言い忘れていましたが、衛生証明書の取得には、製品の抜き取り検査で合格したことを証明する試験成績証明書と、衛生証明書の申請書、外国産品の場合は今回のような原産地を証明する書類が必要です。


なおかつ、加工や保管をした施設は、登録された施設でなければならず、かつ、取り扱う製品がその施設で登録されていなくてはならないのです。(登録はすぐできます。)


中国での加工は、委託加工なので、加工賃のみの支払いで商品代金は無償です。


ここからは中国国内のルールですが、押さえておかないと輸入時に関税、増値税がかかる恐れがあります。


このあたりも難しいので、現地パートナーが経験薄の場合は、事前に十分下調べをする必要があります。


この、「来料加工」については、このサイトhttp://plaza.rakuten.co.jp/uttyanchyan/diary/200711230000/ に情報が載っていますので、参考にしてください。


保健所での衛生証明書取得についてはこちらが便利です。(大田区保健所http://www.city.ota.tokyo.jp/jigyousha/shokuhin/shokuhin/index.html


厚生労働省のガイドラインはこちら↓

対中国輸出水産食品の衛生証明書発行手続きについて

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/jigyousya/taichu/5.html


そのページのPDFに簡単な手続きの流れが載っています。が、すごく大雑把です。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/jigyousya/taichu/dl/5nagare.pdf


厚労省の言うように、大日本水産会が実質的に管轄しているようなので、そちらに相談するのが一番かも↓

http://qc.suisankai.or.jp/ (下のほうに5.輸出関係情報=「対中国向け水産食品の輸出について」があります。)


保健所によって扱いが微妙にことなるので、事前にチェック&チェックしてください。


最後に、原産地証明書の発行は、たとえばロシアからの場合、輸入許可書や食品等輸入届の写しがないと発行不可です。


ただし、今回のようにその書類がない場合は、輸出申告の際に記事(税関)の欄にORIGIN : RUSSIAと入力し、その内容で許可を受けることで、輸出許可書を代わりにすることができるそうです。


このあたりも、各地商工会議所で見解が異なる恐れがあります。


この情報を鵜呑みにせず、事前にこういう話を聞いたが、どうか?と尋ねてみてください。


☆SITC 東京-大連の海上運賃はREF 40F HQで15万円+DOC.2千円でした。こんなもんでしょうか?


ちなみにK LINEは14万ぽっきり。SITC 20 REFは12万でした…


北海道から出すと、FRT 21~23万です。このあたりもどうなんでしょう!?(そんなもんか。)