心の整理学 加藤諦三 p45


“デートでも何でも人はパッケージでものごとを考える。カテゴリーで考えると言っても良いかもしれない。

そのカテゴリーで考えるから、喧嘩をすると、何かとんでもないことが起きているような気がする。

そのカテゴリーで考えるから、「健康で会えた」という幸せを忘れる。その幸せを忘れることで悩みが生まれる。

悩みは「何でも欲しい」と思うから生まれてくる”


パッケージでものごとを考えるというのは、デート=楽しい、とか、葬式=悲しい、とか、結婚式=感動、といった具合に、ものごとと感情がセットになっているような考え方のことです。

それは願望や期待ではなく、「そうであるべき」や「至上命令」になってしまっているのです。ですからその法則が崩れると問題が生じるのです。

「そうであるに越したことはない」程度でものごとを考えるようにした方が、問題は起こりにくいという話です。

そして、何でも「当たり前」と捉えてしまうところに“悩み”の根本が隠されています。

凡人の欲望というのは満たされればまた次の欲望へと推移していき、際限がありません。初めの方に満たされた欲望はいつの間にか「当たり前」となってしまい、そこからは満足感が得られなくなってしまいます。

分かりやすいものをあげれば、空気は無ければ生きていけません。しかし、その存在はあまりにも身近になり過ぎて、人はそこから得られている恩恵を当たり前と捉えてしまっています。

だから突然「今から空気を無くします」とでも言われようものなら「ふざけるな」となってしまいます。

それは空気というものを、得られて当たり前の存在と捉えてしまっているからそのような感情になってしまうのです。

もし、空気に対して感謝の気持ちがあるのであれば、同じ状況でも「第二の矢」で自らの心を攻撃することは無いと思います。

だから、何でも「当たり前」と捉えてしまわないことが悩みの根本解決につながるという話です。