愛しのメンチカツ | おれんじのうだうだ日記~時にはふんがふんが

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婚活ギブアップのアラフォー、喪女、腐女子、オタク、デブっちょで人見知り。いつか犬猫に囲まれる生活を夢見ながら絶賛人生迷走中。もう何がなんだかわけわからん。

おれんじでやんす。


今、モーレツに


メンチカツ


が食べたくて仕方がない


おれんじでやんす。



揚げたての肉汁たっぷりのメンチカツ


( ̄∇ ̄+)噛むと油が出てきて、アチチなの。


ホクホクなの。


ジュワワなの。



食べたい←無意味な拡大



普段メンチカツはあまり食べないのだけど、

(普通の野菜コロッケが好き)

今はモーレツに食べたい。



全身が欲している



全身があのサクサク感を欲している。



メンチカツ~



メンチカツ~










休むことを許されない密林のジャングル



気を抜けばヒルが足元に襲いかかり、

気を抜けば道に迷ってしまうけもの道



おれんじが所属している部隊は、

現在も伝説のメンチカツを求め、歩き続けるのであった。



出発してからすでに二週間

用意していた食料は尽き、食べる物はなくなった。


さらに最悪なことに


昨夜の巨大アナコンダとの戦いにおいて、

もっていたすべての銃弾も尽き、


絶望と諦めの淵に経たされたが、


1人の戦友の勇気ある犠牲に

涙ながらに走り抜け今に至る



飲み水も残り少なく、

食料もなく

希望もない

この密林のジャングル



目標の伝説のメンチカツを探す事すら忘れかけながら、

部隊はただただ歩き続けるしかなかったのだ。



薄れゆく意識の中、



目の前に大きな穴と

一匹の猿がこちらに向かって手招きをしている。




まるでおれんじ達を今か今かと待っていたように、

ゆっくりと右手をふって「こちらにおいで」と言っているようである。




おれんじ  「隊長、変な猿がおれんじ達を呼んでいます」




隊長    「・・・・・・・・・」




おれんじ  「隊長?」




残り少ない力を振り絞り、戦陣を切って歩き続ける隊長の前に出て

隊長の肩を掴み顔をみるおれんじ




隊長は極度の脱水症状と栄養不足と糖尿病で、視力も意識も朦朧としていたのだ。




「隊長~しっかり」



部隊全員が体調に駆け寄り、倒れる隊長を支える



その1 「隊長が居なければ自分は何も出来ません


その2 「隊長が居なければココまで自分はこれませんでした」


おれんじ「しっかりしてください!隊長~!隊長」



隊長にしがみついていると、

先ほどの猿がおれんじ達の輪の中に入ってきた。


この状況なのに、まだ中に入れという仕草を続けているのだ。



おれんじ 「行ってみよう。みんな。もしかしたら水があるのかもしれない。

       みんなが休める場所があるかもしれない」



その1  「何いってんだ!おれんじ!またアナコンダの巣かもしれないんだぞ。

      あいつの犠牲を無駄にするのか」



その2  「そうだ!行きたければ!おれんじ1人で行けよ!俺は隊長をおんぶして引き返す」



あくまでも穴に入ることを拒否する仲間、

ココで解散かと思う悲しい気持ちと、このまま隊長が亡くなってしまったらどうしようという恐怖感



おれんじ 「じゃあ、おれんじが行ってくるよ。もしおれんじがココで死んだら、隊長に伝えてくれ

       おれんじは隊長に出会えて幸せだったと・・・」



穴に走り込むおれんじ

猿がおれんじの背中に飛び乗る



仲間  「おれんじ~!」



仲間の叫び声に、意識が朦朧としていた隊長の意識が少し戻る




隊長  「おれんじ・・・・フッ 相変わらずバカな奴だ・・・」






泣きながら駆け抜けるおれんじ。

背中の猿もご機嫌で、指を指しながらおれんじを誘導する



そして突然、輝く光がおれんじの全身を包み、目を奪う




ようやく光が落ち着き、目の前が見えてくる




おれんじ  「あ!これは!」




目の前に、輝ける黄金の光を放つ



メンチカツ



一つ一つからジュージューと美味しそうな音を立て、

辺り一面に広がる桃源郷



背中に居た猿が、二つ手に取り

一つをおれんじに、一つを己の口に運んだ




サクッ

ジュワッ



と、香ばしい音と飛び散る油がおれんじの耳に心地よく響き




おれんじもつられて一口




ああ・・・・



これは伝説の・・・命をかけて追い求めたメンチカツ・・・




一口食べる事に、さらに美味しさが口の中に広がり、

疲れ切ったおれんじの全身に染みこんでいくのが手に取るようにわかる





おれんじ 「うまいよ。うますぎるよ」



号泣するおれんじに、猿はとても嬉しそうである。

お前はおれんじの天使かい?



その後、入り口で全員倒れていた仲間にメンチカツを食べさせ

復活した仲間達と帰路につくのであった。



その後、帰郷しても伝説のメンチカツの話を

誰1人することはなかった。



あの自然で愛に溢れた桃源郷を、

死ぬ寸前の私達を救ってくれた猿の為にも、

守りたかったからである。



未だ、伝説のメンチカツは解き明かされていない 





-完-







あ~

食べたい

メンチカツ!