「その桜、大き過ぎて春が足りないだって~。」
「それで…例年…満開までは…花が…開かないらしい…。」
「それで、1回満開にしてみたいから、春を集めてるそうよ。」
「ちょっと、あなた達は迷惑してないの?」
「まあ、私達は宴会が華やぐ方が嬉しいから。
ここは毎年来てる場所だから、それなりに都合は良いわよ?」
「それは困ったわね。私達は迷惑してるの、色々と。
ここで春をせき止められると、寒くて外にも出られやしない。
うちには2桁をゆうに超える人数がいるから、息が詰まるわ。」
「え~、出てるじゃない、今~。」
「私は出れるの。待ってる者達が出られない。
まあ、暑くても出られない者ばっかりだけど。」
「お前らは、どっちにしたって、ここで宴会するんだろ?
だったら、とりあえず一緒に騒いでみれば良いぜ。
それが終わって春が返ってくるなら、酒呑んで騒いで、
楽しんでる間に終わってる方が楽しいじゃないか。」
「悪くないアイデアだと思うけど、桜が咲くまで、
この結界が解けないから、私達も入れないのよね。」
「この程度の結界なら、私が外してあげるわ。行きましょうよ。」
「ん~、でもやっぱり駄目~。ちょっと待ってて~。」
「どうして?」
「…私達も…どうしても…その桜を咲かせないといけない…。
知りもしない…桜だけど…何故か…そんな気がする…。」
「気がするといわれても…。」
「そう言われると、不服だけど、まかり通る事になるわ。
せめて見なかった事にしてもらうのは無理かしら?」
「それは出来ないわね。私達の直感が、駄目だと言ってるから。
まかり通るというなら、無理にでも止める。
ねえ、リリカ、姉さん?」
「…そうね。」
「え~、メルラン姉さんはともかく、
ルナサ姉さんまで積極的なのは意外だった~。」
「あら、三姉妹なのね。」
「そうよ。プリズムリバー三姉妹のコンサート。
今日は少し、激しい調べを奏でるわよ?」
「いつでもOKだよ~!」
「…よし…やろう…!」