「あぁあ、意外と立て付けの悪い門だったんだね、これ。
 春みたいなもの漏らすなんて。だから咲かないのかな、あの桜。」
不意に声が聞こえた。3人より少し上、門の上端だ。
門に腰掛ける人影。向こうも3人いるようだ。
「あなた達、ここの者なの?」
「ううん、私達は、宴会の盛り上げに来てるだけ。」
「宴会? こんな所でか?」
「そう。毎年恒例なんだよ~? 人はそんなに多くないんだけどね~。」
「まあ、どちらにしろ、貴方達はここの者じゃ無いのね。
 それだったら、春の事は知らないんでしょう?」
「…春? ああ…中で春度を上げている話…?」
「知ってるの?」
「大きい桜を咲かせたいらしいけど?」
聞いていた3人は、一瞬言葉を失った。何だその理由は。
最もな感想だろう。普通にしていたって、春には桜が咲く。
仮に咲かないような気候の土地に住んでいたとしても、
高々その程度の話で春を奪われては、たまったものではない。