「確かに、私は野生の山猫を見た事は無い。
けれど、妖怪すら恐れる吸血蝙蝠が、毎日身近にいるし、
そんな吸血蝙蝠に立ち向かった、恐れ知らずな妖怪と、
死闘のようなケンカをした事だってある。
普通の人間じゃないのよ。ごめんなさいね、やりにくい相手で。」
橙の爪を受けたまま、反対の手に握ったナイフをなぎ払う。
しかし、橙の身体はしなやかに流れ、上手くナイフをいなしてしまう。
「そんなにやりにくくないよ。私は、相手は気にしないから!」
「相手を知るのは、楽をする第一歩よ。猫は炬燵で楽をするんだから。」
「だ~か~ら~、私は山猫だって。こたつを知ったのは最近。」
「あ、知っていはいるのね。」
「気持ち良いしね。」
「入るんだ。」
「あればね~。」
機動力の勝負は、接近戦になった瞬間に膠着してしまった。
このままでは状況が変わらないと判断し、橙が先に動く。
飛翔晴明を自ら終了、次のカードに手を伸ばす。
「やっぱり、弾幕勝負になるかぁ、最後は。鬼符:青鬼赤鬼!」
橙の両脇に魔方陣が現れ、陣から大量の光弾があふれ出す。
それぞれ、赤と青の中型の光弾を発している。
先とは逆に、咲夜が行動スペースを抑制される格好になった。
「鬼の襲撃に挟まれないようにね~。」
「あれは…なかなか。」
「まあ、大丈夫だろう。プロだしな。」
「プロだしね。」