「…っ! 結構なプレッシャーね…。本命は小さな光弾か…。
 このままナイトメアを継続しても良いけど、
 あまり相性も良くないし…私の見たい力でも無いし…。
 それなら、動くしかないわね。神鬼:レミリアストーカー!」
「ちょっと、レミリア様…マズいわね、ここで見ていたら…。」
全世界ナイトメアを自ら終了し、ルーミアが取得。
同時に、レミリア側が次のスペルカードを発動。
レミリアの身体から、見えるか見えないか、非常に細い光の線が発生する。
咲夜は、茂みから森の入り口へと移動し、
レミリアの攻撃に巻き込まれないように構える。
綺麗に整列して飛んでいた光の刃は、一転して場を自由に飛びまわり、
上下左右から、ルーミアを取り囲むように追い込んでいく。
「まだまだ、今の私はこの程度ではやられないわ。」
「これで終わるとは思っていないんでしょう? そのままだと危ないわよ?」
「何を…!!」
レミリアから発生していた細い光が、一瞬にして質量を増す。
照射というよりは、発生と呼んだ方が自然だったかもしれない。
帯へと変化した糸は、ルーミアの肌をかすめて、また糸へと収縮した。
「私の刃は、目を離せるほど甘い密度ではない。
 けど、よ~く目を凝らして、光の糸をたどっておかないと、
 怪我では済まないかもしれないわね。どうする?」
「へぇ…なかなか。人間相手には意味がなさそうね。」
「そうでも無いわよ。規格外な人間も結構いるしね。」
「そう。けど、1回見ていれば問題無いようにも見えるけれど?」
「それも早計ね。糸は本来、しなやかで形が決まらない物。
 普段はこんな事しないけれど、やろうと思えば出来る事だってあるわ。」
レミリアから常に伸びている光の糸が、突如力を失い、重力に逆らえなくなる。
「これは…まさか!」
「不確かというものは、生き物にとって不快な状態。
 貴方は不確かな形しか持たない糸の呪縛から逃げられるかしら?
 糸はとても細くて軽く、それでいて非常にしなやかにできている。
 それはつまり、壊したり切ったりしようとしても、
 力がかからずに、糸が逃げてしまうという事。
 かき消す事は不可能よ。何処まで逃げ切れるか、見届けてあげるわ。」
「くっ…。」
まるで、ルーミアがレミリアの操り人形であるかのように、
場をゆらゆらと動く、光の糸に翻弄されていく。
しかし、周囲には小さな光の刃が無数に漂っている。
いつの間にか、ルーミアの両腕から発する月の光は、
正確な照射を忘れ、レミリアの動きを抑制できなくなってくる。
いつ、どのタイミングで糸が帯に変わるのか、
大きなプレッシャーの中で立ち回ることを余儀なくされる。