咲夜は大人しく、一旦岸へと逃げる事にした。
苦労するだろうが、咲夜でも戦えない相手では無いかもしれない。
しかし、レミリアが戦うと言った以上、主の指示と受けとめ、
ナイフを握りしめて、しっかりと情報を集める。
レミリアは1度、蝙蝠の姿に変身、相手の攻撃をかわしながら、
しばらくの間は、よくルーミアを観察するようだ。
しかし、蝙蝠の群から鋭い刃の光弾が無数に飛び出しており、
ルーミアからすればのんびり温存している余裕は無い。
先攻を取りながら、後攻に回ることが出来る、
初見の相手を確実に仕留めるためのスペルカードと言える。
例によって、光の刃には大きな隙を作ってある。
ルーミアは必然的に、この隙間に導かれる事になる。
これに対し、ルーミアはあまり焦る様子が無い。
必要最低限の速度を保ち、レミリアの周囲を回るようにしながら、
ゆっくりと光の刃を受け流していく。
レミリアがこちらの様子を伺っているのは明らかなので、
決して自分から手を出そうとはしない。
あえて言うなら、ルーミアの周囲が若干薄暗い程度か。
「簡単には攻めてこないわね…当然か。それなら…。」
このまま蝙蝠の姿で様子を見ていても、情報を得られないと判断し、
元の姿に戻って、更に弾幕密度を上げる。
「もう良いの? ゆっくり観察してくれて構わないのに。」
「何もしない相手を観察したってしょうがないでしょう?
朝顔のデッサンをするほど、私は気長では無いのよ。」
「そう。朝顔なんて、もう何年も見ていないわね。」
「貴方の周りでは咲かないでしょうね。私も見た事が無いけれど。」
「それなら、輝く月光に惑わされ、朝と勘違いした花があったとしたら?
月符:ムーンライトレイ!」
ルーミアの両腕から、巨大な光の柱が発生する。
その大きさは、なんと魔理沙のマスタースパークの半分程度、
それが両腕から発生しているため、相当な圧迫感がある。
「月光…なるほどね。闇に害の無い光なら管轄内か…。」
「光と闇は、両方存在しなければ片方が崩壊する。
何も、光と闇だけに限った話では無いでしょうけどね。
貴方は、強すぎる月の光に絶えられるかしら?」
ルーミアの身体から、小さな光弾が無数に散らばる。
月光によって動きを制限されるレミリアの逃げ場は少ない。
ナイトメアの刃で相手の動きをコントロールしていたはずが、
逆に自分がコントロールされる立場に変わってしまった。