終章 全ての紅の果てに  ~東方紅悲哀~



それから暫く。レミリアは500歳、フランドールは495歳になった頃、
咲夜と美鈴の尽力も手伝い、フランのスペルカードデッキは完成していた。
それと同時に、咲夜と美鈴も、限定的な環境下であれば、
なんとかフランと互角に渡り合える程の力を備えた。
環境さえ整えば、レミリア、パチュリーとも撃ち合えるだろう。
また、パチュリーとレミリアも、何度もスペルカードを見直すことで、
より洗練された戦闘の展開が可能になっていた。


美鈴は自身の持つ格闘能力の高さと、精霊と同調する気を利用して、
あくまでも自分は拳法を、光弾には自分の補助を任せるスタイルを確立した。
元々気を扱う事は得意なので、後は2要素の融合だけだった。
主に、雨の精霊や虹の精霊、風の精霊と同調させる事によって、
光弾の操作を自然の力にゆだねる事に気付いてからは、
美鈴の実力は、更に飛躍的に上昇した。


パチュリーは、本来もつ魔力が大きい事、身体にハンデを背負う事から、
魔道書の力を借りてスペルカードを発動するスタイルを確立した。
魔道書を使うことで、魔法の詠唱を簡素化し、スピードを補う。
魔力は果てしなく大きいので、力が底を付く事は滅多に無いが、
体調に左右されてしまうのは変わらないようだ。
理論上、魔道書の種類数がそのままカードの種類数になるので、
パチュリーのスペルカードは、ほぼ無数にあると言える。
ただし、身体の事を考えれば、3~5枚が限界だろう。


咲夜は時間操作とナイフの関連性を更に向上させ、
そこに少量の光弾を補助で入れることで完成度を上げ、
他の誰にも真似できない、独自のスタイルを確立した。
気が付けば追い込まれる戦慄の舞を、相手は理解できぬまま落ちていくだろう。
また、美鈴の熱心な助言により、気の扱いも多少上手くなっており、
何か奥の手を残せるようになったようだ。


レミリアは本来の身体能力、魔力に非常に恵まれている上に、
弾幕というものを誰よりも早く理解した頭脳も持ち合わせていた事に加え、
優秀な助手とテスト相手にも恵まれていた。
有無を言わせぬ空間圧殺で追い込むスタイルを確立するのに、
さして時間を必要とはしなかった。
その圧倒的な実力は、場を目の当たりにするだけで、
敗北を認めさせるような説得力があった。


フランは、咲夜、美鈴の2人との遊びを通じ、弾幕の形を楽しめるようになり、
それぞれの展開するスペルカードを自分なりに模倣、改良し、
オリジナルのデッキを構築できるようになるまで成長した。
それまでの、力任せなパワーで押すスタイルが完全に消えたわけではないが、
スペルカードルールの中での戦闘は充分可能なレベルになった。
パチュリーからは、パチュリーの編み出した分身魔法を応用し、
自身を4人にふやして相手を追い込むスペルを編み出した。
美鈴との遊びからは、光弾を円形に広げて壁に押しつぶすスペルと、
重力に任せて床に押しつぶすスペルを生み出した。
咲夜との遊びからは、時間を司る時計の針を利用して、
相手を追い込み切り刻むスペルを創り出した。
レミリアから最初に貰ったスペルは、今も大事にしている。
そして、いくつかの自分で考えたスペルを加えた。


レミリアの考えていた理想の形が、ついに形成された。