美鈴と咲夜が書斎に着くと、レミリアとパチュリーはいつもの通り、
テーブルに腰を下ろして、紅茶を楽しんでいた。
4人ともが席についたところで、レミリアが口を開く。
「咲夜、美鈴。2人にこれから、1つ知ってもらわないといけない事があるの。
 この事は、館の中でも私とパチェ以外には誰も知らない事。
 2人も、口外は一切禁止よ。良いわね。」
「「はい。」」
2人とも表情を引き締めて返答する。
「実はね…この館には、2人がまだ見たことが無い住民が、1人いるの。
 少々…いいえ、かなり問題のある娘なんだけど…。
 ちょっと理由があって、表には出していないのよ、今は。」
「はあ…それは、結構な問題を抱えてるんですね…。」
「そうなのよ。力が過剰に余り過ぎた吸血鬼でね。」
「吸血鬼…ですか?」
「そう、吸血鬼。」
「レミリア様以外にも…。」
「何しろ、親は私と同じみたいだし。それなら多分、吸血鬼でしょう?」
「ご、ご姉妹ですか? すいません、失礼な事を…」
「ふふ…良いのよ、美鈴。そう言ってくれるように、私が仕向けたんだから。」
「レミリア様、美鈴さんには刺激が強過ぎます…。」
「耐性を作ってもらわないとね。咲夜のを半分あげて欲しいものだわ。」
「言われてみると、その通りね。咲夜と美鈴で振り分けたら丁度良さそうだわ。
 今度、その手の文献を当たってみる価値はありそうね。」
「パチュリー様まで何をおっしゃられるんですか…。」
「大丈夫よ、放っておいても。それが2人の良さでもあるんだから。
 それに、本当にバランスが取れてしまったら、からかい甲斐が無いじゃない。」
「それもそうね。」
「ご容赦ください…。」
「なるべく自重するわ。話を戻すわよ。
 それでね、1度見ておいて欲しいの。私の妹の事を。
 少し気性が荒い娘だから、私より前に出ちゃ駄目よ。危ないから。
 パチェはここで待っていてくれる? それじゃ、早速行きましょう。」
「あ、はい…。」
「行ってらっしゃい。気をつけてね。」
3人で席を立ち、書斎を後にする。