エントランスでは、別の2人が汗をかいている。
「チェック・メイト」
「う…参りました…。」
咲夜と美鈴の信頼関係は、日を追う毎に深くなっていた。
1度全力でぶつかった経験は、互いの隠し事をなくし、固い絆となった。
「また一段と、重みが増したわね。」
「それも、当たらなければ無意味、ですね…。」
「どうしてもこだわるの? 今のスタイルに。」
「はい、このスタイルは、他ならない両親からいただいたものです。
どれだけ不利な状況になるとしても、譲る事は出来ません。
もしこれで駄目なら、私の努力が至らないだけです。」
「そう…まあ、初見で貴方のカードを見切れる者なんて、
そう滅多に現れるものじゃない、とは思うけどね…。」
「咲夜さんのお墨付きなら心強いです。」
「お墨付きも何も、あったもんじゃないでしょう?
まだ残っているわよ、あの時の打撲の跡…。」
咲夜が服をめくると、脇腹に大きな青痣が見える。美鈴の打撃の跡だ。
「あ、いや、その…それは…」
「別に、怒ってるわけじゃないの。むしろ、その逆ね。
貴方がどんどん向上してくれるのは、本当に嬉しいのよ。」
「そんな…それは、咲夜さんのおかげです。」
「そうよ、貴方が向上すれば、私の仕事が減るから助かるのよ。」
「えぇ、そんなぁ…。」
「今後もしっかり頼むわよ。」
「は、はい~…。」
しばらくして、メイド妖精が2人に声を掛ける。
「メイド長、美鈴様、レミリア様とパチュリー様がお呼びです。」
「お2人が…? 書斎ね。すぐ行くわ。」
「お願いします。」
「続きはまた今度、ですね。」
「そうね。さ、行きましょう。」