「すごい…これが…レミリア様とパチュリー様の戦い…。
 あまりにも、レベルが違いすぎる…。」
「けど、咲夜さんなら時間を止めれば、あるいは…。」
「ん…いや、そうでもないと思うわ。私は実弾での戦闘が基本。
 きっと、レミリア様やパチュリー様までは、ナイフが届かない。
 それに、時の操作には、もう1つ落とし穴があるの。」
「落とし穴、ですか?」
「そう。時が止まっている間に動けるのは、私だけ。
 言い換えれば、私以外の全ては、基本的に不動なの。
 それがどういう事か解る?」
「…咲夜さん以外の、全てが…あ!」
「そう。動きを止めるのは、私以外の、本当に全て。
 空気の流れすら、その例外ではない。
 要するに、相対的に見て、私自身が速くて軽くなり、
 私以外のものが、遅くて重い状態になる、という事。
 だから、私以外の物を直接変化させる事は、結構エネルギーが要る。
 例えば、私が動くだけでも、実は空気を押しのけている事になる。
 呼吸も、必要最低限しかガス交換を成してはくれていない。
 私の肺が、強制的に酸素と二酸化炭素を入れ替えている状態。
 つまり、私が時を止めている間にもたらせる変化というものは、
 時が動き出した瞬間に、変化が訪れるように『細工』を施せるだけ。
 ナイフみたいに軽い物だったら、少々動かすのは問題無いけど、
 相手を直接傷付けるには、相手があまりにも『重過ぎる』。
 案外、時が止まっている間に出来る事は少ないのよ。
 いかに、なんでも出来るように考えるか、は大事なんだけどね。」
「なるほど…確かに…。万能ゆえに、縛りが多いんですね…。」
「そういう事。美鈴こそ、気が扱えるなら望みはあるんじゃないの?」
「私も、少なくとも現状は、気はあくまで補助でしかないですから…。
 ベースは拳法なんで、近づかないと何も出来ません。
 今、目の前で起きているこの激しい戦いの中で、
 お2人に近づく自信はありません…。成す術も無いです。」
「そう…。色々な意味で、お2人は格が違うのね、改めて。
 パチュリー様は体調が良い時、という条件に縛られるけど、
 レミリア様には目立った隙が無い…。夜限定、というくらいかしら?」
「全くです。…戦況、動きますね。」
「ええ。決まるわね、もうすぐ。」