しばらく沈黙が続いたが、不意のノック音で沈黙が破られる。
「入るわよ。」
レミリアが書斎へ入る。その表情は、少し厳しい。
「来たわ。思ったより相当早かったわね。しかも、かなりの人数がいる。
 まともにぶつかったら、大半を殲滅せざるを得ない。
 美鈴、貴方にかかっているわ。大丈夫?」
「もちろん。私が必ず、無傷で帰らせる。」
「解った。貴方に任せるわ。咲夜、サポートしてあげて。」
「はい、もちろんです。」
「それじゃ、2人とも外へ。もう目前まで迫っているわ。」
「私も、見える範囲までは付いていくわ。動かないで済みそうだけど。」
「ありがとう、パチェもいてくれるなら心強いわ。さ、行きましょう。
 咲夜、館の他の者は、一時書斎に避難させておいて。」
「かしこまりました。」


4人で館のロビーに立つ。
「基本的には、門の外で全て済ませるつもりで立ち回ること。
 もし、内側に入られたら私とパチェが何とかする。
 くれぐれも、傷の負い過ぎと深追いには気を付けて。
 制圧や迎撃は目的じゃない。あくまでも撤退させる事が目的。
 それを忘れずに立ち回ること。良いわね。」
「はい。」
「大丈夫。これ以上誰も傷付けさせない。」
「それじゃ、2人は出て。」
美鈴は門の外側、堀を渡ったところに陣取り、咲夜は門の目の前に立つ。
レミリアとパチュリーは、ロビーの2階に上り、
庭と門の外側、全体を見渡すように陣取る。
基本的に、小軍が大軍に対する時は、篭城か奇計が定石だが、
大将クラスの力があまりにも大き過ぎるが故に、
この陣形で相対せば、紅魔館側に負ける要素は無い。
しかし、今回のケースは普通なら使者を送るのが定石となる。
その使者を美鈴が請け負うわけだが、状況が状況なだけに、
早い段階で使者を見せておかなければ奇襲を受ける恐れがある。
使者を送るのではなく、使者で迎え入れる体制だ。