重い身体を引きずりながら、美鈴は廊下を挟んだ向かいの部屋の扉をたたく。
「どうぞ。」
美鈴が中に入ると、レミリアと咲夜が2人で紅茶を飲んでいた。
「随分と早かったわね。そんなに焦らなくても大丈夫よ?
それと、改めて紹介するわ。十六夜 咲夜。
手荒な歓迎をさせてしまったけど、うちの自慢のメイドよ。」
「話は大体、レミリア様から聞いたわ。さっきは激しい接客でごめんなさい。」
腰を持ち上げ、深々と頭を下げる咲夜。美鈴が少し慌てる。
「いや、そんな…もともと私が侵入者だったわけで…。」
「ふふ、本当に真っ直ぐなのね。とても純粋で、汚れが無い。
澄み切っていて美しいわ。…それで、気持ちは固まった?」
「ええ…貴方の案にのる事にした。
…もうこれ以上…争いを広げたくは無い。」
「そう…辛い決断になったわね…。」
「いいえ、それは違う。私はもう、これ以上仲間を失いたくないだけ。
まして、その相手が貴方達なんて…そんな事、私には耐えられない。
貴方達だって、被害者である事は良く解る。ここで全て、終わらせるの…。」
「強いのね。貴方は、『しん』の強さを持っている。心地良いわ。
それじゃ、準備にかからないと。咲夜と2人で書斎に行くと良いわ。
咲夜、美鈴と一緒に、ギリギリまでパチェに体力を回復してもらって。
私がタイミングを見て呼びに向かうから、それまで何も考えずに休むのよ。」
「はい、かしこまりました。それじゃ、ついてきて。」