突然、美鈴の視界から咲夜が消える。また後に回りこまれている。
(やっぱり何かおかしい…。いくらなんでも、初動作も見えないなんて…。)
「今のタイミングで捉えきれなかったのはマズかったわね。
 私に同じ手は、何度も通用しない。」
「そういう貴方もね。少し、私に力を見せすぎている。
 恐らく、超短期戦しか経験が無いんでしょう?
 力は見せれば見せるほど、相手に真意を悟られる。
 まだ正体は掴めないけど、貴方のその動きが単純な速さではない事は解る。」
「あら、大したものね。けれど、別に隠しているわけではないわ。
 説明するのが面倒なだけ。私は時を操る事が出来る。
 それが解ったところで、どうする事も出来ないでしょう?」
「今のところは、ね。」
「永遠に、よ。」
咲夜はまた無数のナイフを構える。
「一体、何本持っているのかしらこのメイドさんは…。」
「気付かないの? 自分の足元を見ても。」
そう言われて、美鈴は視線を落とし、同時に驚愕する。
「まさか…ナイフが…一本も…落ちていない…!」