1人残された美鈴は、呟きながら気持ちを整理する。
「…お父さんは…全てを…本当に全てを守りたいんだ…。
それが無理だから、1番害の少ない方法を選んだ…。
けど、その結果がおじさんとの争いになるなんて…。」
少しの間、湯の中に潜って全身を引き締め、美鈴も風呂から上がる。
身を整えて食卓へ戻った美鈴を、母が心配そうに覗き込む。
「美鈴、大丈夫?」
「うん…。お母さん、ご飯食べるの、少し休んでからでも良いかな?」
「大丈夫よ。ゆっくりで良いからね。」
「うん、ありがとう…。」
美鈴は、1度自室へ戻った。
「やはり…まだ早過ぎたのかな…。」
「いいえ、貴方が大丈夫と感じたんですもの。
少し時間は要るでしょうけど、必ず受け入れてくれます。」
「そう…願いたいな…。」
父も不安はあった。しかし、抗争が始まる時期は、もう近い。
あまりのんびりしていては、美鈴に何も伝えないまま、
抗争が始まってしまう恐れもあった。
苦渋の決断ではあったが、タイミングは今しかなかった。
「美鈴、すまない…。」
美鈴はベッドに横たわり、ゆっくりと自分の出来る事を考える。
(お父さんですら止められなかった事…私なんかに止められるはずが無い。
けど、きっとお父さんもおじさんも、まだ諦めてはいないはず。
私には、一体何が出来るんだろう…。ほんの微力でも良いから…。
お父さんの力になりたい…。)
考え込んでいるうちに、いつの間にか美鈴は眠ってしまっていた。