外国の政府関係者を官邸に入れてその指示を受けるなど、国家の主権を放棄したも同然であり、GHQ占領下とたいした変わりはない。しかもその人物は「ただの原子力専門家」ではなかったと見られている。米国は、震災直後にNRCの専門家30人を日本に派遣して政府と東電の対策統合本部に送り込み、大使館内にもタクスフォースを設置した。

3月22日に発足した日米連絡調整会議(非公開)には、ルース大使やNRCのヤツコ委員長といった大物が出席し、その下に「放射性質遮蔽」「核燃料棒処理」「原発廃炉」「医療・生活支援」の4チームを編成して専門家が具体的な対応を練っている。

「原発対応スペシャリスト」だというのなら、統合対策本部や連絡調整会議に参加するほうが、情報収集という意味でも効率的な働きができるはずだ。にもかかわらず、その後1ヶ月間も官邸に常駐する必要があったのは、原発対応以外の「特別な任務」を帯びていたのだろう。

米民主党のプレーンから興味深い証言を得た。「ホワイトハウスが菅に原発事故の対処策を講じる能力があるかどうかはわからない。だがすでに、原発処理についてはいち早くフランスのサルコジ大統領が訪日したことで、同国の原子力企業アレバ社が請け負う方向で話が進められてきた。
むしろ米国が懸念しているのは、これから震災復興を手がける菅が危うい状態にあること。オバマ大統領は、普天間基地移設を始め、日米間の懸念を解決するという菅が続くことを望んでいる。そのために、ホワイトハウスでは国家安全保障会議などが中心となって、日米関係を悪化させることがないように指導するオペレーションを震災後から展開している。特別な専門家派遣もそのひとつと考えていい。」

菅は米国の指導のもと、国会では震災復興より米国への貢ぎ物(思いやり予算)を優先させた。

4月28日には、日本政策金融公庫の国際部門である国際協力銀行(JBIC)を独立させる法案を成立させた。

JBICは、米軍のグアム移転費用を低利融資する窓口になっているが法改正によってこれまで途上国向けに限られていたインフラ輸出の融資を拡大し、先進国も対象にできることになる。経産省幹部はこう指摘する。「菅は米国への新幹線輸出を進めているが、JBIC独立により、その資金を日本が拠出できることになる。アメリカは満足でしょう。」
議員歳費を返納してもなお余りある売国という投資が、菅直人の政治理念である。