一昨年はドカ雪。14センチ積もったらしく今もあちこちに除雪した雪が残っている

残ったオスのカマドウマ。

案の定というか、手にフンをされつつどこか懐かしい思い出が蘇る。

バナナがかなり好み。

やはりそろそろ時間が迫ってきているな、と感じる。

本来ならもう脱皮しても良さそうだがこの気温では無理だろう。

このオスの跳躍力はとにかく高い。

カマドウマ自体ジャンプキングなのだが、

必ず前を向く習性があるので飛び出した時は手でソフトにガード。

ミスすると顔面に張り付かれる。

これが結構痛い。

東北では比較的温暖と言われる仙台だが、

実は雪があまり降らない代わりに奥羽山脈からの吹きおろしの風、太平洋からの冷たい海風が入り込み乾燥して突き刺すような風。風の街と言われるほどとにかく暴風が多く、3月は春の嵐となる。

それでも命ある限り生きる命を守りたい。

傲慢だとしても生きていて欲しい。

残された時間はあまりない。

昆虫たちは親を知らない。

ふと浮かんだ言葉。

当たり前だが、卵から孵化し刻まれた遺伝子と本能で生き抜く術を習得している。

このオスには当然両親がいて、メスが生んだ卵から孵化した個体。

やはり大きい。

まだ遠い春。

かれこれ三か月も一緒にいる。

別れは突然だし、そうなったら看取ることも飼育する者としての責任だと思っている。

人はどこか死を避けたがるが、命あるものは死に向かう。

そうした当たり前のことが昨今失われつつあるように思う。

引越しの予定は今のところなくなったのでまたきっと、新しい昆虫をひたすら探すだろう。

どんな状況であろうと最期の最期まで死に抗う彼らから学ぶことの方が多い。

ここからは個人的な解釈だが、昆虫は個体ごとにそれぞれ異なる特徴があり本能だけで動く機械ではない。

最近見かけたニュース。

生成AIで文字入力さえすればどんな動画も作成出来てしまう。

AIが唯一出来ないのは、命を生み出す事。

命は人が思うほど脆弱ではない。

迫る時間