分断される社会

 

ロストケアは葉真中顕氏による原作

2023年に劇場公開

王様のブランチでの紹介で興味を持ち

遅ればせながらDVDにて鑑賞

 

とあるひとつの不審死事件をきっかけに

被害者の利用する介護施設での異様な死亡率の高さが明るみになり

捜査線上に一人の介護職員が浮かびあがる

 

犯人として捕まった男は

殺したのではなく救ったと供述するが

その言葉の背景には壮絶な自身の介護体験と

社会システムの落とし穴が確かに存在し

担当する検事の正義感を揺るがす事件となっていく

 

主に事件の被害者は認知症の高齢者で

施設入所せず自宅での訪問介護サービスを利用しており

その介護負担の大半は家族が負っているような状態であり

 

また、介護者は社会的弱者と呼ばれるような人々

 

日中はパート、夜間は介護による身体的負担の絶えない

シングルマザーであったり

働きたいが被介護者の徘徊、異常行動から目を離せず

老齢基礎年金の受給だけでは生活が出来ない状態の生活困窮者

 

年齢や身体状態(障害なく働ける)から

役所では生活保護の申請許可が得られず

更に困窮していく状態は

社会システムの落とし穴に嵌ってしまった八方塞がりな状態

 

犯人の男は

自信の認知症の父親の介護の経験から

同様の落とし穴に嵌ってしまい

 

疲弊しながらも家族であるからこそ見捨てられない人々

 

昼夜問わず

徘徊や異食行動、排泄の失敗のような

異常行動をする可能性があっても

介護者のことを忘れてしまっても

 

逃げ出すことの出来ない人々を解放するための救済と言う

 

社会から分断され

介護負担から疲弊し、自分の人生に生きる意味を見失いそうな人々を救ったという

自負にはある意味での正当性があるように思わざるを得ない

 

人が人を殺すことは罪に問われるが

社会の構造が人を殺すことは

適応出来なかったがための自己責任と切り捨てれられる現実

 

方や有り余る財を成す者がいれば

毎日生きることが精いっぱいの人もいる現実

 

連日の政治家の不適切発言

裏金問題、増税、芸能人のスキャンダルなど

視聴率目的の報道には意味があるのか

 

節約、激安、コスパ、タイパで人間の心はこの先豊かになっていくのか

甚だ疑問である

 

見たいものだけ見る

見たくないのもは見ない

 

物語はフィクションではあるが

現実に起こりえないとも言えないリアルさがあるように思います

 

要約すると

 

社会的構造を変えるためには

選挙に行って世の中が良くなるように投票しようニコニコ

 

BY

PS5コントローラースティックがドリフト中のおじさん凝視