やぁ、ざわえもんです。今回は睡眠のメリットとメカニズムについて⑦の続きです。先ずですね、SNSの過度な使用により様々な症状が発生する場合がございます。そしてそれらの症状はオックスフォード英語大辞典にも掲載されており、その情報は下記の様に記載されています。

ソーシャルネットワークサービスの過度な使用により発生する症状一覧↓
MOMO(Mystery Of Missing Out:取り残される謎)
周りがSNS上に投稿しなかったり、連絡が途絶えたりすることに対する不安

FOMOMO(Fear Of the Mystery Of Missing Out:取り残される謎への恐怖)
スマホのバッテリーが切れたり、紛失したりしたときに限り感じる不安

FOJI(Fear Of Joining In:参加することへの恐怖)
SNSを利用するときの「誰もフォローしてくれないかもしれない」「何を投稿すればいいのかわからない」という不安

BROMO(when your 'Bros' protect you from Missing Out:友達が「取り残されない」ようにする行為)
その場にいない友人が「取り残された」と感じないよう、意図的にSNSへの投稿を控えること

SLOMO(Slow to Missing Out:取り残されると気づくのが遅い)
楽しい投稿がされている間に寝ていたりして、取り残されていると気づくまでに時間がかかること

JOMO(Joy Of Missing Out:取り残されることへの喜び)
他者との比較を辞め、今に集中して楽しみ、不安や焦燥感を無くそうとする事

これらの症状がSNSの過度な使用により現代人に蔓延しており、1996年にマーケティング戦略を専門に研究するダン・ハーマン博士によって初めて確認され、2000年にビジネス誌「The Journal of Brand Management」に掲載されています。また、イギリスのSussex大学のプジビルスキー教授の調査によりますと、自立心や自信の低下に加え、慢性的な孤独感に苛まれている人ほど、ソーシャルネットワークサービスに依存する傾向が強いと報告されており、写真付きのSNS上の投稿は、理想の自分を見せたいという虚栄心が現れている傾向にあり、これらの症状の対処法としては、自分と他人を比較しないというのが一番であるとされており、アメリカの生命保険会社であるマスミューチュアル社の2021年7月の調査によりますと、アメリカ人の51%が「FOMO」を経験した事があると回答しており、66%の人が「JOMO」を経験していると回答しています。また2018年以降にグーグルが、人々のデジタル依存を緩和させる為の機能やツール等を考案と発明をし、ストレスフリーな生活をする様に注意換気をしています。加えてある研究チームが、472人の大学生から得られたデータを機械学習の手法で分析した結果、過去に強い取り残される事による恐怖を経験した大学生は、学業における不正や、毎週の飲酒、大麻及び興奮性薬物の摂取量の増加、または窃盗をする確率が高い傾向にあるという報告がされており、SNSの使い方を誤ると人生は様々な場面において悪影響を与えるという事が示唆されています。また、経営科学の学術専門誌『マネジメント・サイエンス』に2023年に発表された論文によりますと、幸福度と仕事等のタスクにおける生産性は比例する傾向にあるという事が報告されており、0~10の尺度で幸福度が1段階上がる毎に、従業員の営業成績に基づいて測定した生産性が12%向上したという結果になっており、他者との比較を辞めて幸福感が増すほど、日常の作業効率も比例して上がる傾向にありますので、SNSの使い方には皆さんも細心の注意を払いましょう。ちなみに感情の一連のメカニズムを簡単に説明すると、先ず脳というのは3層に分かれています。まぁ正確には3層ではありませんが、内側の運動や呼吸機能等の生命機能を主に司る脳幹や脊髄と言った部位があり、脳の真ん中には大脳辺縁系という部位が外からのシグナルを受け取って機械的な入力を処理し、それを自身の感情に変換します。そして大脳辺縁系で作られた感情は高次脳機能と呼ばれる前頭葉に送られ、次にする行動を決めます。つまり感情のコントロール能力が低い人は、主に感情を発生させる大脳辺縁系の働きが強く、理性を司る前頭葉の働きが弱いという事が言えます。また、幸福感を構成する要素は3つあるとされており、それら3つというのが楽しさ、満足感、目的とされています。ちなみにある国の年齢別に表した幸福度を表すグラフによりますと、人は18歳~25歳に掛けて幸福度が少し減少し、25歳~35歳に掛けて幸福度が大幅に減少し、幸福度が18歳~75歳を対象にしたグラフの中で45歳頃になると幸福度が最も低くなる傾向にあり、45歳~75歳になるに連れて幸福度は徐々に上がる傾向にあると報告されています。また、20世紀のイギリスの心理学者であるレイモンド・キャッスル氏が提唱した概念で、流動性知能と結晶性質知能と呼ばれる2つの能力が人間にはあり、流動性知能とは問題解決能力や集中力や短期記憶等を指しており、先天的な能力に左右される知能を主に指しており、流動性知能は30歳代でピークに達し、60歳頃までは維持するとされ、60歳以降から急速に低下していくとされています。また、結晶性知能とは、一般的知識や判断力、理解力等を指しており、過去に習得した知識や経験を軸にして日常生活の様々な状況に対処する能力を指しており、結晶性知能は60歳頃まで徐々に上昇していき、 60歳頃以降は徐々に低下していきますが、結晶性知能のレベルは20歳代の時の能力が維持されます。つまり何かを学び続ければ一生涯掛けて結晶性知能が培われ、高齢になっても悠々自適に生活出来る確率が高くなるという事です。加えて、人間は未来について考えると不安を覚え、過去について考えると後悔の念に苛まれてしまう性質があり、今に集中して生きる事が幸福になる一番の近道であると言っても過言ではありませんが、あるデータによりますと平均的な人間は1日で30~50%ほど未来について考えていると報告されており、なるべく今に集中する時間を意識的に増やしてみましょう。つまり不眠やデジタル機器の過度な使用によりストレスホルモンが増幅し、ストレスによって入眠が困難になり、夜中の覚醒回数が増え、2020年のスタンフォード大学の研究によると、アメリカ国内の6施設で、市中在住の65歳以上の男性5994人を長期に渡って追跡調査し、被験者は自宅での睡眠時に、睡眠ポリグラフ計と手首用身体活動モニターを装着して、睡眠中の体や脳の活動の様子を記録したところ、被験者の睡眠時間に占めるレム睡眠の割合は0~43.9%という結果になり、平均は19.2%(69.7分)だったと報告されています。また分析に必要な情報が得られた平均年齢76.3歳の男性2675人の中で、約12年の追跡期間中に1404人(52.5%)が死亡しており、レム睡眠の割合が5%減少する毎に、総死亡リスクが13%上昇し、心血管疾患による死亡リスクは11%、他の死因による死亡リスクも19%上昇するという結果になっており、また、レム睡眠の割合が15%未満の人は15%以上の人に比べ、総死亡リスクが高くなる傾向にあると報告されています。また、アメリカのウィスコンシン州で30歳~60歳までの男女を1988年から現在まで追跡している観察研究のデータでは、被験者は、医療機関で一晩を過ごし、睡眠ポリグラフ計を用いた検査を受け、条件を満たした平均年齢51.5歳の男性が54.3%、女性が45.7%の1386人の男女を対象に約21年追跡調査をしたところ、184人(13.3%)が死亡しており、レム睡眠の割合は0~43.0%の範囲にあり、平均は17.6%(67.8分)であり、レム睡眠の割合が5%減少するごとに、総死亡リスクは17%増加しており、この研究では女性のみが総死亡リスクの有意な上昇が確認されており、レム睡眠と、ノンレム睡眠の第1ステージと第2ステージと第3ステージの割合と生存の関係を検討したところ、生存との関係が最も強いのは、レム睡眠の割合であると報告されています。また、臨床睡眠医学ジャーナルに掲載された観察調査を記載した論文によりますと、睡眠アプリを使用して出来る限り質の良い睡眠を取ろうとした被験者ほど、自分自身に強いプレッシャーとなり、逆に睡眠問題を引き起こす傾向にあるという事が示唆されており、皆さんも眠れない時に寝なくてはいけないという義務感に駆られると反ってプレッシャーになり眠れなくなる傾向にありますので、眠れない時は逆転の発想で絶対に寝ないと思うとプレッシャーが消え、眠れる様になる確率が高まりますのでお試しくださいw また睡眠中というのは脳の空きスペースを作る効果があり、夜の間に次の日に必要となる空き容量を充分に確保する為に、余分なシナプスを除去する作用があります。これは以前にもご紹介したシナプスのダウンスケーリングと呼ばれる現象であり、その日に起きた記憶を生存に有利な順に並べ、睡眠中は生存に必要な優先度の低い記憶から削除していき、脳に新しい情報を入れる為の容量を増やしているという事です。また、言語情報を司る脳の領域から発せられた脳波は、視床と呼ばれる部位に12~14ヘルツの睡眠時紡錘波を出す様に指示され、睡眠時紡錘波は神経細胞へのカルシウムの流れを促進する作用があり、シナプスが強化するとされています。つまり長期記憶の形成には、睡眠によって発せられる睡眠時紡錘波が必要不可欠であるという事です。それに伴って海馬から言語処理を司る脳の領域へと100~200ヘルツのリップル波と呼ばれる脳波が発せられ、ある研究によりますと、このリップル波が記憶痕跡が形成された脳の領域へと睡眠時紡錘波を誘導する役割がある可能性が示唆されており、リップル波は睡眠時紡錘波のツアーガイドの様な役割があるという事が推測されています。まぁちょっと今回はこの辺でw 待たなw 次回に続く~ ご視聴ありがとうございましたw

参考文献↓

「熟睡者」

著者 クリスティアン・ベネディクト氏
   ミンナ・トゥーンベリエル氏

訳者 鈴木ファストアーベント理恵氏

様々なサイト、