やぁ、ざわえもんです。今回は運のメカニズムについて③の続きです。先ず成功者に共通している特徴というのは、薄くて広い人間関係を維持しているという事です。ちなみに前回は、主に天才とは様々な物事に対して好奇心を持つ人達の事を指すという事をご説明したと思いますが、その興味の対象とは仕事や趣味や住居やアイデアや他人の微細な変化等までにも及びますが、実は予期しない幸運の多くは他者から持たされるとされており、1979年にアメリカのコロラド大学の社会学者であるキャサリン・ジュフリー氏がニューヨークで活躍する写真家の成功要因を調査し、他者と幸運の関係性についてをデータにまとめ、国際写真芸術商協会の会員名簿から全ての写真家をセレクトし、その写真家達の社会的なキャリアを10年間に渡って追跡調査し、成功者と非成功者の違いについて分析した結果が以下の通りです。

・成功者は特定の人との繋がりは薄いが、多様な社会的ネットワークを持つ傾向にある。

・非成功者は特定の人との繋がりは濃いが、社会的ネットワークは単調で多様性に欠ける傾向にある。

この様な結果になったそうです。ちなみに研究チームのコメントによれば、「非成功者の作品の多くは高いと評価される傾向にあったものの、成功者特有の多様な社会的ネットワークを沢山持つと自身の作品が他のコミュニティ等に広く分散し、結果的に知名度の向上や社会的ネットワークの形成に一役買っている」、こう述べており、やはりジャンルの違う人達と積極的に交流した方がキャリアが潤沢になる傾向にある様です。例えば自分が画家なら、画家同士のネットワークの他に、インターネットに広く精通している人との繋がりを作る事が出来れば、自身の絵画をオンライン上に展示する事が可能になり、幸運を呼び寄せる確率が上がるという事です。また多様な社会的ネットワークの形成はビジネスの成功にも繋がるとされており、アメリカの企業506社の売り上げ等の業績を調べた研究では、社員の人種やジェンダーに多様性がある企業ほど業績が良い傾向にあり、具体的な数字としては多様性が高い企業の63%は平均より上の売り上げを出し、多様性が低い企業が平均より上の売り上げを出した割合は47%まで低下したという結果になったそうです。つまり多様性が高いか低いかで、売り上げが平均よりも高い企業の割合に16%もの差があるという事になります。また45の企業で働くマネジメント階級等の上層部を対象にした調査では、多様な人種や職種やジェンダーの人との繋がりが多い者ほど、革新的なアイデアを生む確率が高いという結果になっており、多様性と運も密接に繋がり合っているという事が推測出来ますよねw また、人脈というとコミュニケーション能力がないと作れないと思う方がいると思いますが、コミュニケーション能力等なくとも、上手くいくという思い込みをするだけでも神経パターンが変化し、実際にある程度性格を変えられるとされています。つまり上手くいくと思うと本当に上手くいく行く事が多いのです。別にスピリチュアルの話ではなく、上手くいくという思い込みは実際に脳内の神経パターンが変化し性格や行動までも変化しますので、人脈が欲しいならコミュニケーション能力が高い人の一挙手一投足を真似したり、優しく落ち着いた人になりたいならその特徴を持つ人の真似をすれば性格はある程度変える事が出来ますので、先ずはロールモデルを見付けるところから始める事をお勧めします。思い込みは脳から変えるとw また、好奇心を持つのは大事という事は分かっても、この知識は自分にとって本当に必要なのか、新しい体験や情報を集めても無意味ではないか等と不安を持つ時もあると思いますが、1つ覚えておいて欲しいのが、世の中に無駄な情報や経験はありませんし、偉大な発見は無駄と思われた行動の積み重ねから生まれたものが多いとされています。つまり瓦礫の山の中にはお宝がある事が多いので、時には別にこの経験や知識は何の役に立たなくても良いやと開き直る事も大事だと思います。いつかはその種が芽吹いて実になるかもしれませんのでw また天才理論物理学者のスティーヴン・ホーキング氏の言葉では、「どうやって、何故等の疑問を常に持つ事で時々答えを見付ける事が出来る」、こう述べている通り、目の前に出されたものを取り敢えず口に運ぶ赤ちゃんの様に、全てに好奇心を持つのも良いかもしれませんねw まぁ取り敢えず運の公式をまとめると、好奇心というスキルを使い、行動量と多様性の確保、その偶然を引き寄せられる様に日常の細部にまで観察を続け、トライアンドエラーを繰り返せる様な高いレジリエンス能力を身に付けるのが幸運を引き寄せる一連の流れとされています。例えば1928年にイギリスの細菌学者であるアレクサンダー・フレミング氏はブドウ球菌を培養したシャーレに青カビが生えている事を発見し、青カビの周囲だけブドウ球菌が繁殖していない事を疑問に思ったフレミング氏は、様々な研究の末にカビが作り出す化学物質からペニシリンという抗生物質を作る事に成功しており、1940年にイギリスのオックスフォード大学の生化学者であるエルンスト・ボリス・チェイン氏とハワード・ウォルター・フローリー氏がペニシリンの大量生産に成功し、1945年にペニシリンの発見者であるフレミング氏とチェイン氏とフローリー氏はノーベル医学・生理学賞を受賞し、ペニシリンの発見で沢山の人が救われたのも事実です。まぁこのペニシリンの発見は偶然であるという話は有名ですが、1945年にはアメリカの軍需産業の技術者であるパーシー・スペンサー氏が軍事用レーダーの実験中に、ポケットに入ったチョコレートが溶けていたのを発見し、この出来事からマイクロ波で熱を生む装置を思い付き、1947年に現在の電子レンジのプロトタイプが、アメリカの軍需産業に貢献していたレイセオン社から発売されています。また察知のスキルと幸運の関係性について調べたのがアメリカのウェスタン・ワシントン大学の研究で、実験内容は以下の通りです。

①175cm位の高さの落葉樹の枝に1ドル札を3枚挟む。
②落葉樹の下を通った学生が1ドル札に気付くかどうかを確かめる。

要は基本的に視界に入るような場所にお金を置き、そのお金の存在に気付くのかどうかという学生達の察知のスキルを検証した実験だったのですが、結果はなんと唖然失笑の全体の約19%の学生しかお金の存在に気付かず、歩きながらスマホを使用していた学生がお金の存在に気付いた割合は全体の約9%ほどしかいなかったという結果になっています。つまり全体の約80%以上は目の間にお金が垂れているのにも関わらず気付かなかったという事です。逆を言えば人類の周囲の観察能力が欠如している傾向にあるとも言えてしまいます。この現象は非注意性盲目と呼ばれる人間の心理的性質であり、インビジブルゴリラ効果、変化の見落とし現象とも呼ばれています。まぁこの現象は1992年に心理学者のアリエンマック氏とアーヴィン・ロック氏によって発見され、ダニエル・サイモンズ氏とクリストファー・チャブリス氏の著作である「The invisible gorilla」、この2010年に出版された本にて紹介されており、先ず白いシャツを着た人と黒いシャツを着た人の2種類に分け、白いシャツを着た人のバスケットボールのパスをした回数をカウントする様に被験者達に指示し、ビデオの途中にゴリラの着ぐるみを来た人が画面の中央で約9秒間胸を叩いて左側に消えたのにも関わらず、42%の被験者は白いシャツを着た人のバスケットボールのパスを数えるのに夢中でゴリラの存在に気付かなかったという結果になった一方で、黒いシャツを着た人のパスの回数を数えるように被験者達に指示したところ、ゴリラの存在に気付いた人は83%になったという結果になっています。つまり黒いシャツに集中すると同じく黒色であるゴリラの着ぐるみの存在に気付きやすくなったという事です。ちなみに何故非注意性盲目が発生するのかと言いますと、脳の処理能力には当然の事ながら限界があるためです。例えば脳は常に周囲の景色や音や匂い等の情報と触れており、脳にある網様体賦活系というシステムが重要な情報か重要でない情報かを選別しています。ちなみに脳は毎秒約4000億ビットほどの情報と触れているとされており、ギガに変換すると約50ギガバイトであり、これを1秒で処理しようとすると821年掛かる計算になり、1分間では4万8000年以上の歳月が掛かるとの事です。しかし当たり前の話ですが、脳が約4000億ビットの情報全てを1秒で処理するのは無理ゲーなので、人は毎秒約4000億ビットの内の約2000ビットのみを厳選して処理しているとされています。まぁ単純計算で脳が1秒間に約50ギガバイトの情報と触れているのであれば、1分間は50×60で3000ギガバイト、1時間は50×3600で180000ギガバイト、1日は50×86400で43200000ギガバイト、この中で脳が1日で処理出来る情報量は約0.2ギガバイトほどとされており、産業教育機器システム便覧に掲載された1972年の少し古い論文によれば、視覚83.0%、聴覚11.0%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1.0%という報告がされていますが、これを見れば感覚情報は視覚優位であるという事が皆さんにも分かるかと思いますが、その人にとっての現実は意識を向けた先に存在するという言い方が正しいかもしれませんねw また、脳が1度に処理出来る情報量は1秒辺り平均で約30~40個ほどであるとされており、これらの根拠から先程の実験で、目の前に垂れ下がっているお金の存在に気付かなかった学生が81%もいたという結果になったという事です。加えて、古代ギリシャの哲学者であるソクラテス氏や、舌を出した写真で有名なアインシュタイン氏、啓蒙主義を掲げた歴史家であるヴォルテール氏等の偉人達は共通して様々な事に疑問を持った事で成功し、現代経営学の父と呼ばれるピーター・ドラッカー氏の言葉でも、「重要なのは正しい答えを探す事ではなく、正しい問いを探す事である」、こう述べており、天才物理学者のエドワード・ウィッテン氏の言葉でも、「いつも私は答えを探す意味があるぐらい難しく、実際に答えられるぐらいの優しい問いを探している」、こう述べています。つまり何故、どうして、どの様にといった興味関心や疑問を大事にすれば、多くの幸運を掴み取る確率が上がるという事です。また疑問の重要性を調べたマインドセットの研究等で有名なキャロル・ドゥエック氏等の研究では、864人の男女を集め、全員に普段からどれだけ自問しながら生活をしているのかを尋ね、自分に出来る事は何か、もっと効率良くやるにはどうすれば良いか、もっと良い方法はあるか等と被験者達の日常での自問の回数とパフォーマンスの関係性を調べた結果、日頃から自問の回数が多ければ多い被験者ほど大学の成績平均点や学習能力、健康指数や貯金等も総じて高い傾向にあり、実験室で行われた認知テストの結果も高かったらしいです。また、自問によって導き出した解決策の量や質は差程関係なく、ただ様々な事で自問するだけでも人生の様々な点においてパフォーマンスの向上が確認されたとの事です。例えば仕事でミスしたりしたら、ミスするなんて自分は能力が低い等と落ち込むのではなく、どうすればミスしない様になるのだろうかと自問すればパフォーマンスが上がる傾向にあるという事です。まぁちょっと今日はこの辺でw 時間がある時は1日2つ投稿するわw 面倒な時はやらんけどw それでは次回に続くw またなw ご視聴テリマカシー。

参考文献↓

「運の方程式」

著者 鈴木佑

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