やぁ、ざわえもんです。今回はユーモアのメリットについて③の続きっすねぇ。まず以前に申し上げた様に人は笑うとオキシトシンという愛情ホルモンと呼ばれる物質が分泌されるのですが、このオキシトシンはセ○クスや出産の時にも分泌されるとされています。まぁつまり愛情を感じる行動であればオキシトシンが分泌される傾向にあるという事です。また、イギリスのロンドン大学の心理学者であるアラン・グレイ氏達が行った実験では、グレイ氏達は被験者達を見知らぬ人同士でペアを組ませた後に一緒に5分間映像を見せたという実験内容で、被験者達の半数には人気のコメディー番組のユーモアを交えた失敗集を見せ、残りの半数には自然のドキュメンタリー番組等を被験者達に見せています。そして実験後にグレイ氏達は被験者達に自由にペアの相手にメッセージを書いて渡す様にお願いしたところ、一緒にコメディー番組等を見たペアは自然のドキュメンタリー番組等を一緒に見たペアに比べて相手に伝えた個人情報の量が約30%増えて客観的に見て親しげに見えるという結果になっています。つまりユーモアの力というのは人間関係における警戒心を解きやすくするという事が説明出来る訳です。面白い人は自然と安心出来る訳ですねぇ。ラポール形成という人間の信頼感を表した指標によりますと、親密な人間関係は知り合ってから約3ヶ月以上とされていますが、ユーモアの力はラポールを強化する働きがあると言えると思います。ちなみにラポールとはフランス語で架け橋という意味です。加えて心理学者のドリス・バッツィーニ氏が52組のカップルを対象にした実験で、最初にカップルの二人の関係の満足度について調べた後にカップルを4つのグループに分類したという実験をご紹介します。

第1グループ↓
ここ最近の3ヶ月間でカップル2人で一緒に笑った事を思い出して話したグループ。

第2グループ↓
カップルが別々に笑った事を話したグループ。

第3グループ↓
カップルが二人の仲の良さについて実感した事を話したグループ。

第4グループ↓
カップルがパートナー以外との仲の良さについて実感した事を話したグループ。

その結果は、第1グループは他の3つのグループに比べてカップル二人の満足度が約23%高いという結果になっています。まぁつまりカップルで一緒に笑う事が多ければ多いほど満足度が高くなるという事です。まぁ当然っすよねw カップルだけに限らず人間関係においては一緒に笑う機会が多ければ多いほど満足度が上がる傾向にあるので、ユーモアを忘れるな諸君w また、ユーモアは創造力を上げるという事が知られています。アップル社のクリエイティブ・デザイン・スタジオのトップを務めていた浅井弘樹氏によりますと、「創造力の最大の阻害要因は恐怖である」と述べており、「ユーモアの力は恐怖を遮断するのに最も効果的なツール」とも述べています。つまりユーモアの力は恐怖を解消し、創造力を上げる事が期待出来るという事です。ちなみに2019年のアメリカ合衆国労働省労働統計局による生活時間調査によりますと、平均的な人間は生涯で約13.2年間を職場で過ごしており、平均的な人間が生涯で友人と交流する時間は約328日しかないという結果になっています。つまり80年生きるのであれば平均で約13.2年間を職場で過ごし、約328日しか友人と交流する時間がないという事です。まぁ平均的な人間は80年の内の約79年間は友人と交流していないという事です。つまりユーモアの力というのは職場において画期的なアイデアを思い浮かべる等の創造力が上がり、ユーモアの力は友人と交流する時間も同時に増やす傾向にあるという事がこのデータから推測出来ますよねw またユーモアの力は頭の回転を速くしてくれるという事が知られており、機能的固着という認知バイアスを和らげるという効果があります。これはステレオタイプバイアスやアインシュテリング効果とも言われています。例えば皆さんは扇風機の用途と言えば何を思い浮かべますか? 殆どの方は身体や物等を冷やす為に使うと答えると思います。しかしですね、扇風機があればバーベキューの火起こしに使えますし、ハエは冷風を当てると飛ばされないように壁に捕まるという性質がありますので、ハエを取る時に扇風機を使えば捕まえるのも簡単になります。要はですね、機能的固着というのは簡単に言えば固定概念に囚われるという事なのですが、ユーモアの力というのは固定概念に囚われるのを克服しやすくする効果があるという事です。更にある実験によりますと、ユーモアのあるビデオを見た人の方がそうでない人に比べて、ロウソク問題等の機能的固着に関する心理テストにおいての正解率が約2倍も高いというデータもあり、ユーモアというのは柔軟性を上げる力があるという事が言える訳です。また、ユーモアの力は一般的なブレインストーミングよりも遥かに脳の創造を司る部位が活性化するという事が知られています。ブレインストーミングとは集団でアイデアを自由に出しあう会議の1つです。このユーモアの力と脳の創造を司る部位との関連性について調べた実験があり、南カリフォルニア大学のオリ・アミール氏とアーヴィング・バイダーマン氏の実験によれば、ロサンゼルスのプロのコメディアン達とアマチュアのコメディアン達と一般人に対して、ザ・ニューヨーカーというアメリカのコンテナンス社が発行している週刊誌の表紙に面白いタイトルを付けるように指示して、被験者全員でブレインストーミングを行った後に、ユーモアのあるタイトルを考えたグループと真面目なタイトルを考えたグループの2つに分けて、実験中に核磁気共鳴画像法で被験者達の脳を検査したところ、ユーモアのあるタイトルを付けようと考えたグループは学習能力や創造力等の認知機能を司る側頭連合野及び内側前頭前皮質が活性化していたという結果になっており、マサチューセッツ工科大学のバリー・クドロヴィッツ氏の研究によれば、ブレインストーミングを行ったコメディアン達は、他の普通の被験者達と比べてアイデアの量が約20%増加し、アイデアに対する評価も約25%高いという結果になっています。つまりユーモアセンスのあるコメディアン達がブレインストーミングをすれば、量も質も高いアイデアが思い浮かんだという事です。また、ハーバード大学の心理学教授であるエイミー・エドモンドソン氏とその同僚達の研究によりますと、人は心理的安全性と言って、失敗してもバカにされたり罰せられたりしないと思う事が出来る様になればなるほど、モチベーションやレジリエンスや粘り強さ等が向上するという事が証明されています。まぁ多分皆さんも言わなくても分かると思いますが、この心理的安全性を高めるのに効果的なのがユーモアセンスという事です。実際にエドモンドソン氏の研究によれば、人は笑えると思っただけでも、ストレスホルモンであるコルチゾールの値が約39%減少し、エピネフリンという身体を興奮させる為にあるホルモンの値が約70%減少したという事が報告されており、人は笑えると思っただけでも安心感が生まれてリラックス出来る様になり、ストレス症状等が緩和する傾向にあるという事です。また2007年にアメリカのボルチモア大学が行った記憶に関する研究によりますと、被験者達の唾液に含まれているコルチゾール量を計測した後に7つの認知機能に関するテストを行ってもらったという実験をご紹介します。

この実験で計測した7つの認知機能↓

1.言語能力
2.脳の処理速度
3.視覚及び手指のコントロール能力
4.実行機能(注意制御や作業記憶等)
5.言語記憶及び学習能力
6.視覚的記憶
7.視覚構築

そしてこの7つの項目の内の視覚構築の項目を除いた6つの項目は、コルチゾールの値が低下すればするほど向上したという結果になっています。

ストレスホルモンのコルチゾールの値が低下した事による様々な能力の向上一覧↓

1.言語能力
2.脳の処理速度
3.視覚及び手指のコントロール能力
4.実行機能(注意制御や作業記憶等)
5.言語記憶及び学習能力
6.視覚的記憶

確かにストレスというのは少しだけあれば人体を活性化してパフォーマンスを上げてくれる効果がありますが、基本的にストレスフリーに生きた方が様々な能力が上がる傾向にあるという事です。まぁそしてユーモアというのはストレスの減少に効果的な訳ですが、奴隷制度の撤廃運動を積極的に行った19世紀のアメリカの牧師であるヘンリー・ウォード・ビーチャー氏は、「ユーモアのセンスが無い人はバネが付いていない荷馬車の様だ」と述べている通り、ユーモアというのはストレスを和らげるバネの様な役割があると言えますよねw また、ジョエル・ゴー氏、ジェフリー・フェファー氏、ステファノス・ゼニオス氏が行った研究によれば、人は長時間労働等のワークライフ・バランスが乱れると、毎年最低でも12万件以上の死亡に繋がっており、その医療費は合計で最大約1900億ドルにもなるという報告がされています。また、ダッチャー・ケルトナー氏とジョージ・ボナーノ氏の研究によりますと、ここ最近の6ヶ月以内に身内の誰かと死別した40名の被験者達に、死別した身内との関係性について語ったところを録画したところ、死別した身内との思い出を笑顔を見せながら語った被験者達は、笑顔を見せなかった被験者達に比べて怒りの値が約80%下がり、苦痛の値も約35%下がったという結果になっています。また、笑っていた被験者はポジティブな思い出を話したり現在の人間関係に満足している傾向があるという事もこの実験から明らかになっています。また、シェリー・クロフォード氏とネリーナ・カルタビアーノ氏の研究では、8週間のユーモアに関するスキルを教えるという授業を被験者達に1週間毎に1時間ずつしたところ、8週間後に鬱症状やストレスが減少し、ポジティブな感情が増えたり、感情のコントロール能力が高まったという結果になっています。更に、マーティン・ブルーチェ氏の研究によりますと、慢性閉塞性肺疾患の患者達が道化師のショーを楽しんで見たところ、肺機能が向上したという事が報告されています。加えてノルウェー科学技術大学が約5万人の男女を15年間追跡調査したところ、持病や感染症等があったとしてもユーモアセンスのある人達の方が長生きをする傾向にあるという報告がされています。例えばユーモアを日常に多く取り入れている女性は、様々な疾患による死亡リスクが約48%低減し、心臓病による死亡リスクが約73%低減し、感染症による死亡リスクが約83%低減するという結果になっており、ユーモアを日常に多く取り入れている男性も感染症による死亡リスクが約74%低減するという結果になっています。ちなみにユーモアは精神安定剤の次に精神状態の改善に効果的という結果にもなっており、一番精神の改善に効果がなかったのはビタミン等のサプリメントという結果になっています。

様々な研究まとめ↓

・ストレスホルモンのコルチゾールの値が約39%低減
・興奮ホルモンであるエピネフリンの値が約70%低減
・恐怖の低減
・創造力の上昇
・言語能力の上昇
・脳の処理速度の上昇
・視覚及び手指のコントロール能力の上昇
・実行機能(注意制御や作業記憶等)の上昇
・言語記憶及び学習能力の上昇
・視覚的記憶の上昇
・怒りの感情が約80%低減
・苦痛の感情が約35%低減
・ストレスや鬱症状の低減
・心理的安全性の上昇
・ポジティブ感情の上昇
・人間関係の満足度の上昇
・感情のコントロール能力の上昇
・様々な疾患による死亡リスクを男女共に約40~85%低減

皆さんも苦しい時ほどユーモアの持つ力を思い出して、人生を悔いのないように楽しく面白く過ごしましょうw ネガティブな人は口角を上げるところから始めましょう。綺麗な顔が台無しだおw 皆さんの人生に幸福を。それでは次回に続く。ご視聴サンクスだべさ。

参考文献↓
ユーモアは最強の武器である
著者 ジェニファー・アーカー氏
   ナオミ・バグドナス氏