小さな闇があります。
生体肝臓移植を経験しました。
私はドナーでした。
あのあと、一服したあとの電話はかかってきませんでした。
2日後、私から弟に電話してみました。
…もしもし…?
「あ、兄ちゃん、ちょっと待って。かけなおすから。」
しばらく待っていると、電話がかかってきました。
「この前はごめんね。いろいろ考えてたら、時間が過ぎちゃってね。」
…うん。だろうね。酒でも飲みながら考えないと、落ち着かないよね。
「まぁね。でさ、おばちゃんはどうなったの?」
…うん、連絡が来た。結果から言うと、回復は思わしくない。
「…そっか。」
…で、俺が渡した肝臓は、問題はなさそうだ。
「おっ!!良かったね。」
…う~ん…。
「これからどうなる?」
…そうだね。おばちゃんと医者に頑張ってもらうしかない。
「移植したらさ、血管もつながってさ、肝臓も働くんじゃないの?」
…望む結果はそうだよ。
…でもね、元々自分のモノではない肝臓が体内にあるわけでしょ?
敵と思って、肝臓を攻撃するんだよね。
「うーん。厳しいね。」
…だから、攻撃させないように、薬を投与するのね。
「うんうん。」
…攻撃するのは、体を守るための機能だから、攻撃をやめさせる、もしくは弱くするとさ、他の病気にも影響がでるんだよね。
「あぁ。わかる気がする。」
…だから風邪もひけない。かなりキツい薬を長い間服用しなけきゃならないんだ。
「そっか…。」
…まずは肝臓を自分のモノとして機能させてほしいんだけどね。
「そうだよね。でさ、回復が思わしくない原因ってなに?」
…いろいろあると思う。おばちゃんの体は限界に近かった。だから移植に踏みきった。体力が少ない。免疫も少ない。薬とうまく付き合いながらだけど、家に帰ることはできると医者も言ってた。
「いつ?」
…オレの肝臓と、薬の付き合い方がわかった時なんじゃないかな。
「難しいんだね。」
…うん。移植して、はい完治ってわけじゃないんだよね。
「悪い所は全部取ったんだよね?」
…そう聞いてる。心配なのは、肝臓を攻撃し続けることだね。
「そうだよね。そこは何となく理解できるよ。」
…うん。でさ、知ってて欲しいことがあって。
「ん?」
…A型の肝臓を持ってるのは、オレとお前しかいない。
「うん。たぶん、同じこと考えてると思う。」
…そっか。
「それでね、まぁ、この先どうなるかわからないけどさ、兄ちゃんに知っててもらわなきゃならないことがあってね。」
…ほぅ。なんだろね。
読んで下さってる方、ありがとうございます。
稚拙な文ですが、記憶をたどり、私の経験を伝えられれば、と思います。