あ~あ、終わっちゃったあ。春の”透明”ツアー
東京から名古屋、大阪ときて、ほとんど間髪を入れず横浜でした。
”あっという間”感のつよさを 東子さんもライブのときに仰っていました。
またまたすごいライブでした。2日目を軸に思い出してみます。
横浜、というロケーションに今回は金・土というタイミングで、しかも絶好の晴天!
すべて最高の条件が揃っていました。すごいひと!金曜もほぼ満車、でしたが
土曜の駐車場は、入場待ちで並びました。広場のイベントもあるしね。
仕事の切れ目がつかず、第三京浜で横浜に向かおうとクルマで出たら
高速に入る前の都内の一般道渋滞!空いた高速をちょっとヒトに言えない大爆走して
着いたら、順番50番台後半でした。ということはこのとき同時に決まる2nd.も
渋い番号だなと思ったら、30番台。 だよね、すごいヒトの数。
Motion Blueにあがる階段も人でいっぱい。会場にきたら、床が見えないくらいのヒト! 顔なじみのスタッフさんが、「遅刻ですね」(笑)でも最大限の努力で、来た時間を考えれば、これ以上ない よい席をみつけてくれました。とはいえ、始まってみると
ステージかみの五十嵐さんの斜め後ろ。しも側に位置する東子さんのお顔をピアノの突上棒が斜めに邪魔してましたけど(泣)。
1st.は土曜で早い時間設定だったこともあり、もろ昼間でした。ステージ左右の窓から
ふつーに昼間の光が差し込んで、東子さんが”こんばんは~”とおっしゃったとき、ヘンな
かんじがしました(笑)。 こんな時は、窓を閉めていただきたいなと、若干、思いました。
2nd.も まじパンパンだったフル満員の1st.と同様、席は壁際、バーカウンター含めてひと、ひと、ヒト。こんなにぱんぱん、久しぶりに見たかも。 開演までにはしばし時間が
あったので、飲み物と、おいしいもの頼んで、ぼくは階下の指定喫煙所へ。CD”In Love Again””帰る場所はあなた”を低音効かせて繰り返し聴きながら。ここ数日、
曲がはじまってバンドが爆発するときの怪しい感じに、また取り付かれて。。ここで観覧車を中心にした薄暮の景色をぼーっと眺めながら、河野さんたちの魔法に聞き惚れて
しばし意識不明。 席に戻り、食事も済んだころ、さっきまだ辛うじて空いていた穴ぼこ
のような席にまで、きっちりうまっていました。 東子さんのファンの方がいっぱい来てるんだなあとうれしくなりました。スタッフの方も、料理やお酒を運んで忙しく行き来して、
ライブハウスらしい活気があふれています。 開演時間を数分過ぎて場内がゆるやかに暗くなっていきます。 ぱらぱらと拍手。五十嵐さんが東子さんを先導して入場、ステージ向かって一番遠い通路をすばやく通ってかみてに上がります。東子さんはしも側からステージに向かいます。東子さんが定位置につくころ、先回りして迎える感じの大変な敬意の払い方です。大拍手。人数が多いので迫力があります。
周囲に、そして会場の全体に挨拶の念を送っていらっしゃる東子さんです。にこやかにピアノ前におかけになり、無言で
”君がわかるから” CDバージョンに近く東子さんのイントロにすぐに五十嵐さんのシンセが作る和声の塊が包んでいきます。 このツアーが始まった時にビルボード東京で
若手の柴田敏孝さんがサポートについたとき、今までのサポートとの違いを
感じました。今回はとにかくシンフォニックに豪華な和声の塊をシンセで作るのです。
今回はやはり、”PURPLE”のリリース・パーティーの時から始まった、MACちゃん
導入・同期音源のライブ投入の 進化系の登場です。 マックちゃんの唯一の弱み、
同期音源の持っていた機械っぽさを生身のキーボーディストが解決!ということなんでしょうか。そして五十嵐さんは、その”生身”の部分でご自分の同時進行の和声の
かたまりの中で自由にインプロをされるわけです。 ビルボード東京では柴田さんの
ワイルドさを楽しみましたが、今回は、五十嵐さんの端正さでしょうか。 河野 伸さんとは
ちがう種類の端正さ。河野さんが貴族的端正さだとすると、裃・袴のお城にいる偉い
お侍様(笑)。タイこそないが、鉄のようにプレスされたダークスーツ姿。
東子さんと同世代、たのきんトリオだワイルドワンズだの昔話が初日にありましたが、一貫する東子さんへの敬意の表し方は見事だったと思います。東子さんも
それを強くお感じで、あまりいじらない方針のようなご対応(笑)。アルバム”Ten Stories”の”恋なんて”のシングル・バージョンのアレンジをなさって、録音時も、キーボードを担当なさっていました。(ちなみに、このときのパーカッションは、またろーさん。)
ずいぶんと間が開きましたが、競演ができるなど、思っても見ずにいたので、光栄ですと
五十嵐さん。まじめに敬意を表する五十嵐さんに、東子さんも落ち着いて、大人、と返されました。まるで皇室晩餐会(爆)。じつは気さくな方のようですけれど。。。
すぐに二曲目”できない” 残酷ソング。女性に”あなたは最高のひとだけど、恋はできません”といわれたら、どーする?ん~まったく救いがありません。好きな曲なのに
集中して聴くと暗くなる(爆)歌です。”10%”みたいに、こちら(男性)の出方しだいだけどやめときましょう、みたいな、結果は同じでも自分を慰める逃げ道がないですね。
東京の時も書いたけど、特徴的な二音の繰り返しが”だめだめ~”に聞こえます。
ここで、五十嵐さんの簡単な紹介。そして”透明” おなじみの厳粛な雰囲気の東子さんのピアノのイントロ。思い切りよくばしっと響く和音。今回の”響かせる”音響に乗って、
音量も豊かでぐっとひきつけられます。そこへ五十嵐さんのシンセの絃が静かに
かぶります。五十嵐さんのとても丁寧な感情のコントロールがかっこいい。
先行する東子さんの端正なピアノにずばりの瞬間を
狙い澄ましてシンセの和声を重ねるお姿は、感動です。大きなボディーアクションで
微妙なコントロールをなさる演奏振りは、ライブ映え抜群。
そしてこのツアーでずっと好調の東子さんのお声の調子。コントロール抜群の最高の
歌唱です。僅かにエコーもかかり、CDの歌入れ一発採りのときのような雰囲気です。
こういうライブ音響はこれからの夏の屋外でのライブなどで活かされていくと思われます。
そして次は”地図” このあたりから、五十嵐さんは牙をむく、じやない(爆)和声の管理者
のほかの側面がぐいぐい出てきました。鍵盤奏者としての部分が、です。間奏での
インプロ振りは最高で、テクニックのキレはもちろん、陰影感が豊かです。
ここで東子さんピアノを離れて中央のスツールに。完全にエレピの伴奏”Happy”この
ちょっぴりかわいくコミカルにみえる曲は、実は演奏者の腕の見せ所満載の曲ですね。特に間奏を経て後半の転調したあたりは暴れ放題で、五十嵐さんもびゅんびゅんあばれていました。これで五十嵐さんに座布団3枚です。東子さんも多分歌いやすいとお感じになったと思います。高音域が続く曲ですが、大安心の五十嵐節にのって最高の歌唱でした。 そして”半分だけ”これは最初に鍵盤が単純だが印象的なイントロを弾き、シンセが
オーケストラのような豊かな音で歌の導入を促すのですが、 端正で音量も含めて
ピタリのとこへもってくる五十嵐さんに安心されたか、東子さんも最初から目つぶりで
入り込む絶唱でした。”歩幅”とならんで”IN LOVE AGAIN”のなかでは、だんだんと重みを増しつつある曲です。ボクも出た当初より、今のほうが好きになってますね。深くてやさしいです。 ここでピアノに戻られる東子さん。静かなストリングスの音、そう、”pale moon”
これは東子節の正当継承曲ですね。あ、このまえ同じこと書いたかも。ばしっ!
東子さんのお声の絶好調と、音響と豊かなシンセの和声で、またしてもレコーディングの
さまを彷彿とさせるすばらしい歌唱で、さびの盛り上がりと鍵盤奏者のがんばり(笑)が
堪能できました。70~80年代のソウルや、たとえばビリー・ジョエルなんかのエレピの
鳴らし方を思い出すような、先輩がたのオマージュが沢山入った五十嵐さんの鍵盤。東子さんのお履物のラメが、リズミカルにペダルを踏むたびにきらきらと美しいのでした。
そして”10%”。出ました!この曲のオリジナルの森俊之さんのローズが奏でる間奏の
ソロがカラダに染みているボクとしては、どうなるか心配だった曲(笑)。東子さんも絶好調のまま、すこーしコミカルに、すこーし悲しい感じを余裕で表現され、後半の盛り上がる鍵盤とともにかっこよく終了。インプロあばれても品がある五十嵐さんです。
そして東子さんのキレのよいピアノの和音の響き。”淡い花色”歌詞もさることながら、
とても厳かに歌われる東子さんのお姿が女神です。 弱くこだまする東子さんのお声。
五十嵐さんの鍵盤もとても丁寧で
丹念に和声を重ねていきます。盛り上がって、そして夢のように終わります。久しぶりに
拝聴した大好きな曲でした。
いろいろな過去の曲を発掘して、ライブで演奏するのは楽しみと仰る東子さんです。ここで私が一番沢山歌っている曲と。”誰より好きなのに” 少しはやめのテンポで原型に近い
感じで歌ってくださいます。五十嵐さんも、これはオーソドックスな原型尊重で。毎回、
慣れた曲を(流して)歌う感じがしません。これは東子さんのお心のせいだと、
ボクはおもっていますが。 ここで”Devotion”これもさびのあたりからの爆発が知られて、ぼくのヨーロッパのトモダチに大人気です。
CDよりも力強く歌われる東子さん。五十嵐さんも、はじめは穏やかでしたが、ぐんぐん盛り上がり。さびを経て間奏で大爆発。無理がなく自然に爆発するのは難しいのですが、彼はやってくださいます。とにかくインプロが上品です。さあ、最後の曲です。。。。
アルバム最終曲”片思い”もどかしさ、痛み、片思いをしているヒトに片思い。けっきょく誰の気持ちも届いていない、ビターな。。。と東子さん。これも2人同時スタートの曲なので、
東子さんお声に出して、three,fourと掛け声。これも東子さんのお声がよく通り、五十嵐さんとのコンビネーション抜群でした。 で、終了! 拍手、拍手のなか、お互いを讃えあう
お二人です。感謝のお辞儀をしながらご退場。 拍手がだんだん大きくなります。そして
いつもの”帰さへんで”コール。人数が多いのですごい拍手。拍手。拍手。
再登場の五十嵐さんは、最初と同じコースで東子さんを先回り(笑)。拍手に埋まる感じで
東子さんもピアノ位置に。 目で合図なさるお二人。さあ、アンコールだあ!
と思ったら、五十嵐さんが、鍵盤の下に手を置かれ、ノータッチ、のサイン。やおら
始まったのは、まさかの”NYライブ用アレンジ”と思われる手数の入った”歩き続けよう”
です。 個人的な話ですがクルマで横浜に来るとき、最初期のビデオ”TOKO FURUUCHI”をDVDに落としたものを掛けながら来たので、びっくり!東子さんのお顔がアップで、溝口肇さんのチェロ(世界の車窓からのチェロ奏者さんで、シングル・バージョンで弾いていらした)が印象的で大好きなのです。 東子さんのピアノもクリアで複雑で美しく、お声も急上昇する音階がある曲にもかかわらず、安定した最高のものでした。大感激。歌の最中、東子さんを初めて知った頃のことを走馬灯ぐるんぐるんしながら思い出していたボクでした。
MCで自分は音楽をがんばる。これで励まされるひとがいるなら本望、と。沢山きてくれた人々に感謝。何度も来てくれたヒトも遠くからのひとも感謝、と。また会いましょう。。
そして最後。”歩幅” オリジナルの石成さんのギターのフォローも素敵ですが、今日の
五十嵐さんの優しくさりげない和声の重なりも最高でした。 このところの出来事など、
東子さんがMCであえて多弁には語らなかった お心の中身の片鱗が感じられる、
力強くてやさしい歌でした。
出し切って歌ってくださったのが、居合わせた
すべてのヒトに伝わったと思います。ありがとう!東子さん。
そして 五十嵐さん!あなたにも感謝してます。大拍手。拍手。。。。
満員の客席に向かって何度も感謝の念を送るお二人。讃えあうお二人。最後は五十嵐さん舞台を降りて、下から東子さんを讃えるしぐさ。 退場。
横浜のひとは暖かかった。
日によって、”シャワー・ルーム”をやったときもありました。
お召し物は白透け系レイヤー 赤 パルコ劇場最後のの色違い?(淡い花色・ピンク?)
緑。詳しくは、女性ブロガーさんまで。(笑)