🏫終戦前夜、疎開地で起きた連続殺人を追う!
時代に翻弄された少年たちの、推理と友情の日々を描く、戦時青春ミステリー。

Arika報告書v1アイコン太平洋戦争の終戦前夜、美作宗八郎は東京から疎開し名門・白霧学舎の寄宿舎で生活することになる。「探偵小説倶楽部」のな面々と親しくなり、当地の連続殺人事件の調査にあたるが友人が遺体となって発見され……寄宿学校の個性的な面々が連続殺人事件を追う⁉ 戦時中を舞台に時代に翻弄された少年たちの、推理と友情の日々を描いた異色かつ直球の青春ミステリー。

戦時下の少年探偵団もの。お国のことなど知ったことかと(しかしどこか刹那的に)強かに生きる少年たちの、ヌケヌケとした青春が楽しい。まさに「紅一点」のヒロインが可愛いのが美質。逆に主人はさすがにダメダメが過ぎるように思う。ミステリとしては少しひねりがなさ過ぎて、正直すぎる印象かな。読後の感想ですが、《ネタバレ注意》。正確に言えば犯人は3人。終戦間際でなければ起こらなかった事件です。連続殺人に見えてそうでないところがいかにもである。

 



岡田秀文
1963年東京生まれ。明治大学卒業。1999年「見知らぬ侍」で第21回小説推理新人賞を受賞し、2001年『本能寺六夜物語』で単行本デビュー。2002年『太閤暗殺』で第5回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。