この世界の裏側と、表に出せないこの感情。
Arika報告書v1アイコン季節は夏。この現実と隣合わせで謎だらけの裏世界で、女子大生の紙越空魚(かみこし そらを)と仁科鳥子(にしな とりこ)は互いの仲を深めながらも探検を続けていく。「きさらぎ駅」に迷い込んだ米軍の救出作戦、沖縄リゾートの裏側にある果ての浜辺の夜、猫の忍者に狙われるカラテ使いの後輩女子――そして、裏世界で姿を消した鳥子の大切な人、閏間冴月の謎。未知の怪異とこじれた人間模様が交錯する、大好評のネットロア×異世界探検サバイバル、第2弾! 

1巻は裏世界での恐怖体験。2巻は現実に近い世界での恐怖体験。1巻に対し、2巻は能力がうなる。2巻の後半の物語は現実世界ににじみ出てきた裏世界現象の撃退。そして、この物語は二人の少女の仲睦まじき様を楽しむという側面がある。そう。百合だ。うん。1年前に裏世界ピクニックを読んだときは、実は、百合要素に全く気が付いていなかった。しかし、その後、入間人間などの百合要素がある小説を数冊読み、裏世界ピクニックは百合要素を意識しているということを知ったうえで、再読したところ今回強くそのことを感じさせられた。二人の姿を見ていると、もう気が気じゃないというか、心配で、落ち着かない気持ちになります。とともに、次の巻も読みたくなる、そういうクセになる何かが、このシリーズにはあるようです。

 

 

 

 

ネット怪談×異世界探険
「検索してはいけないもの」を探しにいこう。


仁科鳥子と出逢ったのは〈裏側〉で〝あれ"を目にして死にかけていたときだった――その日を境に、くたびれた女子大生・紙越空魚の人生は一変する。「くねくね」や「八尺様」など実話怪談として語られる危険な存在が出現する、この現実と隣合わせで謎だらけの裏世界。研究とお金稼ぎ、そして大切な人を探すため、鳥子と空魚は非日常へと足を踏み入れる――気鋭のエンタメSF作家が贈る、女子ふたり怪異探検サバイバル!

 



宮澤伊織
秋田県生まれ。2011年、『僕の魔剣が、うるさい件について』(角川スニーカー文庫)でデビュー。2015年、「神々の歩法」で第6回創元SF短編賞を受賞。冒険企画局に所属し、「魚蹴」名義で『インセイン』(新紀元社)などTRPGのリプレイや世界設定も手がける。