■大人だから楽しんで読める、大人だから読んでほしい様々なジャンルの『大人本セレクト』をレビュー!

VOL・092

ほん運び大人だからこそ読んでほしい、3人の作家による「リクエスト・アンソロジー」

3人の人気作家が、いちばん読みたいテーマを、いちばん読みたい作家に「お願い」してできあがった!?

テーマは「和菓子」「ペット」「本屋さん」、のべ30人の作家による、完全新作アンソロジー!

普段あまり短編を書いていない作家が参加したり、ジャンルの異なる作家が肩を並べたり、他にはなかなかないタイプのアンソロジーシリーズだろうと思う。

とにかく、珍しく豪華なので、つまみ食いするような気楽さで楽しんでください。


『和菓子のアン』著者・坂木司リクエスト!
 和菓子のアンソロジー

和菓子のアンソロジー (光文社文庫)/光文社

¥713
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Arika報告書v1アイコンあなたならどのお味を選びますか?
「和菓子」をモチーフに、短編を一作書いていただけませんか? 読書家としても知られる『和菓子のアン』の著者・坂木司が、今いちばん読みたい人気作家たちに執筆を依頼。そんなリクエストに応えてくれたのは、小川一水、木地雅映子、北村薫、近藤史恵、坂木司、柴田よしき、柴田よしき、日明恩、恒川光太郎、畠中恵、牧野修など計10作品が収録。日常を描く小品、ちょっとしたミステリー、壮大なSF、優しい怪談、異界の垣間から見える幻想譚などなど、細工菓子から駄菓子までと幅広い和菓子の世界そのままに、いろんな味の物語が詰まったアソートのような一冊。和菓子が内包する物語性を活用、優しいものから驚くような奇想に満ちたものまで、一筋縄ではいかない作品たち。甘くてやさしくて、でもそれだけじゃない。想い出に似ている。また、『和菓子のアン』の後日談が読めるのも大きな楽しみのひとつ。





愛犬家としても知られる作家・近藤 史恵リクエスト!
 ペットのアンソロジー

ペットのアンソロジー (光文社文庫)/光文社

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Arika報告書v1アイコン可愛いだけじゃない同居人たちの物語
「ペット」をモチーフに、短編を一作書いていただけませんか? 愛犬家としても知られる作家・近藤史恵氏が「この方のペット小説を読んでみたい」と思った作家に執筆を依頼。そんなリクエストに応えてくれたのは、森奈津子、大倉崇裕、大崎梢、我孫子武丸、柄刀一、汀こるもの、井上夢人、太田忠司、皆川博子、近藤史恵など計10作品が収録。人生の大切な伴侶ともなるペットたちが運んでくるドラマの数々。ペットとの幸せな生活はもちろん、ペットを利用した悪事、ペットに振り回される飼い主、そして動物の持つ魔性に惑わされる恐怖・・・・など、身近な存在が運んでくる様々な人生模様が語られている。登場するのは犬、猫から爬虫類、鳥まで多種多彩。ペットとの生活が当たり前になった現代ならではのペット小説が堪能できる。もちろんペットを飼っていなくても、動物が好きな方や小説が好きな人ならば楽しめますよ。





元・書店員であり、書店をこよなく愛する作家・大崎 梢リクエスト!
 本屋さんのアンソロジー

本屋さんのアンソロジー (光文社文庫)/光文社

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Arika報告書v1アイコンあの本屋さんも、本当はこんなドラマチック?
「本屋さん」をモチーフに、短編を一作書いていただけませんか? 元・書店員であり、書店をこよなく愛する作家・大崎梢が、同じくらい書店が好きにちがいない人気作家たちに執筆を依頼。そんなリクエストに応えてくれたのは、有栖川有栖、坂木司、門井慶喜、乾ルカ、吉野万理子、誉田哲也、大崎梢、似鳥鶏、宮下奈都、飛鳥井千砂の計10作品が収録。本好きにとって本屋さんはパラダイス。そこで働く人たち、そして買いに来る人たち。手にした本から始まる10の人間模様を個性的豊かな作家たちが短編に仕上げた。新刊書店、そこは愛好家のための舞台なのだ! 商店街、空港、駅近、雑居ビル。場所は違えど、多種多様な人が集まる書店には、宝石のようなドラマが生まれる。読めば笑えて、泣けて、心がふっと軽くなる、そんな素敵な物語10編! 「新刊書店」に絞った本屋さんがテーマなので、限られた舞台でよくもまあこれだけ!と驚くほど心躍る。意外な人物の意外なストーリーも読めるなど、お得感たっぷりの一冊。