■大人だから楽しんで読める、大人だから読んでほしい様々なジャンルの『大人本セレクト』をレビュー!

$*音 楽 画 廊 2*
VOL・065

ほん運び大人だからこそ読んでほしい、Arikaの「今日の棚の三冊」




不細工で居丈高な自称モデルの女王様・宮島弥生―
虚構と実像のあわいを行き来する舎人憲夫の“M”を描いた衝撃作!
 舎人の部屋/花村萬月(著)

舎人の部屋/双葉社

¥1,728
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Arika報告書v1アイコン電気機器メーカーに契約社員として勤務する一方で、マゾヒストとしての愛欲生活に耽り続ける男・舎人憲夫。過食嘔吐を繰り返す小説家志望の自称モデル・宮島弥生を描いた前作『浄夜』の登場人物だった舎人憲夫の"M"を描いたこの衝撃作は、マゾヒスト的独白と虚構と実像のあわいを行き来する哲学的小説でもある。





*働くってくたびれる。けど、頑張ったその先には、温かい明日がある。
 店長がいっぱい/山本 幸久 (著)

店長がいっぱい/光文社

¥1,620
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Arika報告書v1アイコン倒産、家出、離婚、リストラ……人生思ったようにはいかない。夫を亡くしたばかりの真田あさぎは、小学生のひとり息子を育てるため、「友々丼」と名付けた“他人丼”の専門店「友々家」を開いた―。あれから30年余り、今では120店舗を超えるまで成長した大手だが、それぞれの店には各々のの事情を抱え、迷いながらも一生懸命に働く7人の店長がおり…。東京、神奈川、群馬、北海道、海外など、あちこちの「友々家」では、店長たちが、友々井をせっせと提供している。それぞれの事情を抱え、生きるために「友々丼」をつくり続ける7人の店長の切なくも温かい奮闘記を7編紡ぎ合わせた連作短編集。




明快ながら深遠。飄々として真剣。短くも奇妙な物語たちの展覧会―。
 K体掌説/九 星鳴(著)

K体掌説/文藝春秋

¥1,566
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Arika報告書v1アイコン「K体掌説」とは、小噺のK、簡潔のK、奇態のK、つまりKなる体の掌編小説のこと。簡潔に書かれた、ちょっと変わった、ジャンルでいえばシュートショートのような物語です。「ぞくっ 物語が降って来る」(マンガ家 萩尾望都さん)、「鮮明に想像できる創造の世界、楽しい」(歌舞伎役者 市川染五郎さん)、「うたた寝で見た夢のようだ」(落語家 春風亭昇太さん)、「世の中の秘密を探る賢者、そういう本来の小説家が現れた」(KADOKAWA・DWANGO会長 川上量生さん)。21世紀の稲垣足穂か、はたまた、星新一か。ショートショートで驚異の新人、現る! 各界の著名人も絶賛!! 抱腹絶倒のユーモア、そして美しい散文詩、シニカルなSF、切れ味のある怪談。装画と挿絵は、版画家の山本容子氏が担当。幻想的な物語に、アクセントとイメージの飛躍が加わります。明快だけど奥が深く、奇妙な味わいを残す、話題の小さな物語たち。是非お楽しみあれ!