2015年に映画化・ドラマ化・アニメ化のメディアミックス作品をご紹介!!
■2015春期☆金曜日にドラマ化された原作&コミック

ドラマを見る前にチェックするもよし、見た後でじっくり復習するもよし。

合わせて原作本・コミックを楽しんでください!




【4月17日更新】
 三匹のおっさん ふたたび/有川 浩

三匹のおっさん ふたたび (新潮文庫)三匹のおっさん ふたたび (新潮文庫)
(2015/01/28)
有川 浩

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ドラマタイトル:金曜8時のドラマ「3匹のおっさん2~正義の味方、ふたたび!!~」

4月24日スタート テレビ東京系 毎週金曜 午後7:58~午後8:54(初回は午後7:58~午後9:09)

■原作/原案…原作:有川浩「三匹のおっさん」シリーズ(新潮社)

■スタッフ
脚本:佐藤久美子/脚本:清水しおり/監督:猪原達三/監督:白川士/監督:山田勇人

主題歌:和田アキ子「晴レルヤ」

■キャラクター紹介(キャスト)
清田清一(北大路欣也)
通称キヨ。熱い正義感の持ち主。定年退職し、ゲームセンターの嘱託社員として再就職。還暦を迎えた今でも剣道の腕はにぶっていない。

立花重雄(泉谷しげる)
通称シゲ。居酒屋「酔いどれ鯨」の元亭主。店は息子夫婦に任せているが、“三匹のおっさん”の溜まり場でもある。武闘派で柔道の腕に覚えあり。

有村則夫(志賀廣太郎)
通称ノリ。町工場「有村電業」の社長。機械を触らせたら無敵の頭脳派だが、愛娘の早苗にはめっぽう弱い

■ドラマ内容紹介…テレビ東京の歴史を塗り替えた人気作第2弾。三匹のおっさんが近所の悪を成敗!
作家・有川浩の人気シリーズを基に、かつて悪ガキ3人組だった清田清一(北大路欣也)、立花重雄(泉谷しげる)、有村則夫(志賀廣太郎)が結成した私設自警団“三匹のおっさん”が、詐欺や痴漢、動物虐待など、近所にはびこる悪を“斬って”いくヒューマンミステリーの第2シリーズ。昨年放送された第1シリーズでは、最終回に同局のプライムタイムの連続ドラマ(時代劇を除く)史上最高となる12.6%の高視聴率を獲得したほか、北大路ら主要キャスト3人が「東京ドラマアウォード2014」で特別賞を受賞するなど、大きな話題を呼んだ。今作は前回の1年後を描き、清一たちが近所を守るために再び痛快な立ち回りを演じる。
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■原作の感想
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「還暦くらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか!」と、ご近所の悪を斬るあの3人が帰ってきた!
Arikaアイコン(小)1 剣道の達人キヨ、武闘派の柔道家シゲ、機械をいじらせたら右に出る者なしの危ない頭脳派ノリ。あの三人が帰ってきた! 書店での万引き、ゴミの不法投棄、連続する不審火……。ご町内の悪を正すため、ふたたび“三匹”が立ち上がる。清田家の嫁は金銭トラブルに巻き込まれ、シゲの息子はお祭り復活に奔走。ノリにはお見合い話が舞い込んで、おまけに“偽三匹”まで登場して大騒動! ますます快調、大人気シリーズ第二弾でございます。地域社会っていいですね。また、三匹のおっさんは、気持ちは現役だけど、表向きも現役で目立ちたいって思ってないところがいいし、 孫世代から愛され、まだまだ負けないぜ、的なおっさん世代の願望を叶えるファンタジー? っていう気がする。それに三匹のおっさんの痛快劇に胸がスカッとする。自分の身の回りで起こり得る日常的な問題を取り上げ、読者にコミカルに問題提起しているところは素晴らしかったです。 叶うならば、また第三弾として三匹に会いたいものです。




 霧の果て~神谷玄次郎捕物控/藤沢周平

霧の果て―神谷玄次郎捕物控 (文春文庫)霧の果て―神谷玄次郎捕物控 (文春文庫)
(2010/09/03)
藤沢 周平

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ドラマタイトル:BS時代劇 神谷玄次郎捕物控2

4月3日スタート NHK BSプレミアム 毎週金曜 午後8:00~午後8:45

■原作/原案…原作:藤沢周平「霧の果て~神谷玄次郎捕物控」(文春文庫)

■スタッフ
脚本:古田求/脚本:田上雄/脚本:渡辺善則/脚本:保利吉紀/脚本:中村勝行/演出:本木克英/演出:酒井信行/制作統括:原克子/制作統括:管原浩/制作統括:原林麻奈

■キャラクター紹介(キャスト)
神谷玄次郎(高橋光臣)
北町奉行所の定廻り同心で直心陰流の使い手。その一方で、奉行所きっての怠け者ではみ出し者との烙印を押されている。しかし、ひとたび事件が起これば、持ち前の洞察力と剣の腕前を駆使して難問を解決する。母と妹を殺された過去がある。

お津世(中越典子)
小料理屋「よし野」の女将で、子供と2人暮らし。玄次郎と恋仲にある。

おさく(岸本加世子)
神谷家に仕える女中。自堕落な玄次郎をいつも叱りつけている。世話焼きで、玄次郎にとっては煙たい存在だが、母親替わりの良き理解者でもある。

銀蔵(中村梅雀)
髪結い床「花床」の主人で、玄次郎配下の岡っ引き。玄次郎の父親の代からの関係で、玄次郎とはお互いを信頼し合う仲。父親のような存在。

■ドラマ内容紹介…藤沢周平原作の名作捕物帖シリーズ第2弾! 高橋光臣演じる神谷玄次郎の名推理
北町奉行所のはみ出し者・神谷玄次郎が抜群の推理力で難事件を解決していく、藤沢周平原作による名作捕物帖で、2014年春に放送された時代劇ミステリーの第2弾。普段は茶屋に入り浸たり自堕落な怠け者だが、いざ事件が起きると天才的な集中力と鋭い観察眼、卓越した勘とひらめきで真犯人を突き止めてしまう主人公を、前作に引き続き高橋光臣が演じる。前作同様、玄次郎と恋仲である小料理屋の女将・お津世(中越典子)、世話焼きな神谷家の女中・おさく(岸本加世子)との軽妙なやり取りや、信頼する岡っ引きの銀蔵(中村梅雀)らとの名推理、そして剣術の使い手としての立ち回りを披露する。
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■原作の感想
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黒い霧が晴れたはずなのに…
読後、虚しさと憐れみが胸に去来するハードボイルド的時代小説! 

Arikaアイコン(小)1時代推理短編集。前半は剣戟は無く推理で事件を解決していくが後半は手に汗握る(短いが)剣戟が繰り広げられている。神谷の父親が追っていた事件とは? なぜ母親と妹の命を奪われなければならなかったのか? そして黒幕とは・・・。そんなミステリー的要素もある本格同心ものです。ラストで、怒りをブチまけケチョンケチョンに仇を討てばスッキリするだろうが(読者は)、でも、黒い霧が晴れたはずなのに読後、虚しさと憐れみが胸に去来します。静かで読みやすい文章で思っていたイメージと良い意味で違っていました。各編それぞれ捕物劇がありつつも、全体にひとつの大きな事件があるという捕物帖の定番って感じの構成でしたが、まず主人公が魅力的。そして捕物に迫力がある。普段はぼんやりしている同心・玄十郎が殺人事件に立ち向かうときは格段の強さを見せるギャップに惹かれる。いざというときの推理力、動き、そして一匹狼っぷりもかっこいい。最初はサラッとした感じでしたが玄十郎の凄さを知れば知るほどハマっていきます。もちろん藤沢さんの描く各人物像も見事で、人間に対する深い洞察力が伺えた物語の内容は面白かったのですが、一番ぐっときたのは芸能界随一の読書家であった故・児玉清さんの解説でした。この人は本当に愛読書家だなとしみじみと思いました。捕物帖の面白さに節澤文学ならではの人情味が加わり、とても面白かったです。もしも藤沢周平先生がご存命ならば「霧の果ての」続編があったのだろうか? そして「霧の果て」のもう一人の黒幕の捕縛場面も書いてほしかった。





  アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス

アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)
(2015/03/13)
ダニエル・キイス

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ドラマタイトル:アルジャーノンに花束を

4月10日スタート TBS系 毎週金曜 午後10:00~午後10:54(初回は午後10:00~午後11:09)

■原作/原案…原作:ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」(ハヤカワ文庫)

■スタッフ
脚本監修:野島伸司/脚本:池田奈津子/演出:吉田健/プロデューサー:韓哲/プロデューサー:佐藤敦司

主題歌:ベット・ミドラー「ローズ」

■キャラクター紹介(キャスト)
白鳥咲人(山下智久)
花の運送会社「ドリームフラワーサービス」のスタッフ。28歳だが6歳児並みの知能しかない知的障害者。ママが好きになってくれる“お利口さん”になることが夢の純粋な青年。「脳生理化学研究センター」の研究員・遥香や白ねずみのアルジャーノンと出会ったことで、知的能力を向上させる臨床試験の被験者となる。

望月遥香(栗山千明)
「脳生理科学研究センター」の研究者。知的能力を向上させる研究者・蜂須賀の右腕的な存在で、彼に心惹かれている。純粋な青年・咲人と運命的な出会いを果たす。

柳川隆一(窪田正孝)
「ドリームフラワーサービス」のスタッフ。頭はいいがどこか投げやりな性格で、詐欺罪で逮捕された過去を持つ。純粋な咲人を利用していたが、やがて友情が芽生える。

檜山康介(工藤阿須加)
「ドリームフラワーサービス」のスタッフ。母親を守るために父親を刺し、殺人未遂で服役した過去を持つ。守るべき存在だった咲人に変化が生じ、友情関係も変わっていく。

蜂須賀大吾(石丸幹二)
「脳生理科学研究センター」のリーダーで脳医学研究の第一人者。白ねずみ・アルジャーノンの知能を向上させる実験に成功し、その研究の被験者となった咲人にねじれた愛情を注ぐようになる。

■ドラマ内容紹介・・・山下智久主演×野島伸司脚本監修で世界的ベストセラーをドラマ化
ダニエル・キイスの同名小説を原作に、野島伸司が脚本監修を務めるヒューマンドラマ。主演の山下智久は「自分としてもチャレンジとなる役柄。最後まで気を抜かずに、一つ一つ自分のものにできるよう頑張っていきたい」と意気込みを語る。同ドラマは、6歳児並みの知能のまま成長した28歳の青年・白鳥咲人(山下)が、手術によって天才的な知能を手に入れたことで味わう愛と憎しみ、喜びと孤独を描く。花の配送センターで働く心優しい咲人は、動物実験で驚くべき知能を得た白ねずみ・アルジャーノン、その研究の被験者を探す望月遥香(栗山千明)と出会い、人生が大きく動きだす。

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■原作の感想
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環境が変わる、頭が良くなる事によって得るもの、失うものがある!?
Arikaアイコン(小)110年以上も前に読んだ本作を改めて読んだ。温厚な性格のフェニルケトン尿症による知的障害のある男性が、手術によりIQ180に。どんどん日に日に文体も内容のレベルもかわる。でも一貫してアルジャーノンに対する優しさは変わらない。しかし人工的なIQの向上はそのうち数ヶ月以内でストップし、急降下な変化していく…。 チャーリイはどの時期が幸せだったんだろう?、そんな事をふと思う。天才に変貌したチャーリイが愛や憎しみや歓びや孤独を通して知った、人の心の真実とは。知能が発達しても、感情の発達が追いついていないチャーリイが、かつて働いていたパン屋で友達からされたことが自分に対する意地悪だったことに気づいて同僚に対する憎しみから傲慢になっていく。パン屋で仕事で業績を上げても同僚から反発されたり、女性を上手く愛せなくて苦しんだチャーリイが知能が高くても愛情を与えたり受け入れる能力がなければ意味がないと気づくまでの過酷な道程は、読者に人間が成長するために愛と知識が必要だと教えてくれます。終わりに進むにつれ、涙がこぼれおちそうになる。 賢くなりたいと望んで得た知能はチャーリイが思ってたものと違っていいことばかりではなかったけど、大事なことも沢山知ることができた。「天才」になることで何を得て何を失うか。その逆に「天才」でなくなるとは・・・・でもチャーリイという人間は、最後の2行に全てが凝縮されているように思う。手術前の知能が十分じゃないチャーリイと、知能を失っていくチャーリイ。はたから見れば同じなのだろうが、本人からしてみれば天と地の差がきっとあるはず。だからこそ、最後10ページは、胸をギュッとしめつけられてしまう。知能とは何か。理性とは何か。そして、愛とは何か。そんなことを真面目に考えさせられる450ページでした。 チャーリイが得たもの、失ったもの…。冒頭と終わりとで、全然違う。彼の知能は退行してしまいましたが、以前の彼に戻ってしまったのではなく時間や心は全て受容して未来へ向かっている、ラストに2行にちゃんと希望がありました。知能が高いことが幸せか、アリスや博士、彼の人生について考えるには、もう少し時間がかかりそうです。ドラマにあたり10年ぶりに再度読んでみて気づけた自分の感想の変化がある。10年前は単純にチャーリイが可哀想だと思っていたが、今は少し違う、彼の未来の人生に希望の光を感じた。