アニメや映画の原作が、実はライトノベルズっていうのが、けっこうあります。
純文学にもマンガにも勝るとも劣らない魅力があるライトノベルの世界にちょっと足を踏み入れてみてはいかがですか?
ライトノベルってなに?!
今やどこの本屋さんにも売られている「ライトノベル」は通称で「ラノベ」と呼ばれるほど、世間に親しまれています。
文庫やノベルスサイズの小説本で表紙、挿絵がマンガやアニメ調のイラストなのが特徴。
恋愛、SF、ファンタジー、ミステリー、ホラーとさまざまなジャンルがあって、主にティーン向けに書かれているから、とっても読みやすい内容になっています。
そして、人気のラノベが原作となっている、アニメや映画作品が意外と多かったりもするのです。
そんなラノベの世界を数回に分けて徹底紹介しちゃいます♪
今回は、レーベルごとの作品群の中から「妹プッシュ本」をピックアップしてみました。
ファミ通文庫 (エンターブレインの文庫レーベル)
人気ゲーム雑誌「ファミ通」を発行するエンターブレインから出ているライトノベル!
「テイルズオブ デスティニー」などゲーム系小説を数多く刊行している。
ゲーム系以外にも「文学少女」シリーズ、「バカとテストと召喚獣」など幅広いジャンルの小説ラインナップを揃えている。
超妹大戦シスマゲドン (1) (ファミ通文庫) (2005/12/24) 古橋 秀之 商品詳細を見る |
イラスト/内藤 隆
主人公・烏山ソラは、兄・サトルが謎の人物から受け取ったチョーカーを身に付けてしまい、サトルのコントローラ?で自由に操作されるようになってしまう。ソラの困惑をよそに、サトルはソラを操って大喜び。しかしそのチョーカーとコントローラーを狙って、獅子神ゲンドウとエリカの兄妹が襲い掛かる……。兄妹が織りなすスーパーバトルシスターストーリー!
いままでにない斬新なバトル系・妹ラノベ!?
一切の疑問の余地なくいかれてるライトノベルである! 操縦する者と操縦される者の上下関係は『ソリッド・ファイター』と似通うが、兄妹の性格から上下を微妙に逸脱させて別種の関係を築いてる。 語り口も兄妹に合わせて巧みに変え、多声的な妹世界を形成してると思う。 何を血迷ってこんな話を書いたのだろうと疑問に思ったけど、読んでみたらいつもの古橋先生でした。死人が出るわ、ネタに溢れているわ、そもそも設定からして根本的に狂っているわ、と色々やりたい放題。しかも、本来狙いに行くべき読者層にはドン引きされそうという、いったいどこに向かっているのか分からない感じは何だろう……。 次巻への伏線(ある兄の妹観のズレ)も、バディ格闘物の大枠や兄に複数の軍事系科学者を配すことで妹の価値基準を戦闘能力へと注目させ、初読時には全く気付かせないとは凄い!
三月、七日。 (ファミ通文庫) (2004/05) 森橋 ビンゴ 商品詳細を見る |
イラスト/世良 シンヤ
幸せになりたい、でも幸せになんてなれっこない——。
誰かを幸せにすることもできなくて何のために生きているのか——。
孤独を噛み締めて生きる少年と少女。ふたりが出会ってしまったのは、運命の悪戯か偶然か——? 筆者の独特の感性で描く、拙くも切ない、青春ラブストーリー登場。
二人の心情が綺麗につづられていてよかったです!?
自分が私生児で父が結婚詐欺師であった事を知り自分の血を恥じ優等生に執着する男子高生、三月と母がおらず父は10歳の時に自分をかばって事故死、それを自分のせいだと思い幸せを拒絶する女子高生、七日。それぞれ深い事情はあるが、この年頃にありがちな自分の世界に縛られてしまった高校生達の話。同じような友人達との交流を通して少しずづ自分らしさや幸せを見出していくが狂おしい現実に苦悩する。彼らと向き合う大人達が実に真摯でいい。グリーングリーンの歌が切なく添えられる。「・・・この世に生きる喜びそして悲しみのことを♪」。 特に新鮮な世界や展開がある、というわけではなかったけれど、不健康な爽やかさが漂っていた。 そして文体が好き!スラスラと読めた。二人が兄妹だと判明するくだりとか、ちょいと展開が唐突な感じもするけれど、まあまあ面白かった。どっちかっていうと兄妹の恋の話ではなくて、父親と家族が再統合する話なんだろうな、これは・・・・。 二人の気持ちがとても伝わってきて、はじめての恋はこんなにも可愛らしいのだと感じた。最後がハッピーエンドじゃないのが悲しかった。しかし、たまには切ないのもいいと思った。続編のその後をさっそく読もうと思う。
うさぎロボ1 謎の妹と俺たちのUFO探索記 (ファミ通文庫) (2012/04/28) 佐藤了 商品詳細を見る |
イラスト/しゅがすく
空想暴走、ロマン疾走! 非日常系青春ファンタジー開幕!!
ごく普通の高校生(←重要)の俺、篠原隆介はUFO研究会なる部活に属してはいるが、正直信じちゃいない。
未だに信じてる幼なじみの美琴に付き合ってるだけだ。
そんなある日、妙なうさ耳転校生がやってきて「我はカーリーンディア。月の裏側より来た異世界人だ」イタタタ。
しかも行方不明の兄を捜してるというが、「お兄ちゃん!」え、俺!?
「隆ちゃん妹いたんだ」って美琴、信じるな!
これは厨二病ってやつだ。やめてくれ、俺はもうそいつは卒業したんだ……
だから俺たちの裏山にUFOが隠されてるなんて、絶対に信じない!
UFOと厨二病をめぐる部活青春モノかと思ってたら…
予想外な「ひぐらし」っぽい暴走ぶりが凄まじい展開で笑った!?
とりあえず読んだ感想としては「おおう!?」って感じですね。まさかの展開で驚きました。ロボって、巨大ロボだとは思わなかったよ。まあ、読んでる最中は、タイトルのことなんて頭から抜けてたから、出てきたときにびっくりしたけど・・・・。しかし、明らかになったこともあるけど、まだまだ明かされてないことも多いけど、どうなるんだろ…。前半はなんだか「元厨二病患者」の心の傷をえぐり出す内容で読んでいて不快感しかなかったけど、中盤を越えて事実が少しづつ出てきたあたりからめちゃくちゃ面白くなっていった。後半はそれをバサッと切り捨て別の本になったかのような冒険活劇っぽい内容で読み応えがありました。状況が二転三転して転がり先が読めない所が良かったね。しかし、うさぎロボ、まったく造形がイメージ出来なかったんですが・・・。妄想前世ネタも不思議だし、それに関わって来るのかもしれないけど、UFOを開けられた理由も。伏線結構張ってあるよなー。あっそうそう奇行が原因で罵られるわ実妹からは嫌われるわで、割と深刻です。その辺苦手な人はご注意を。
犬とハサミは使いよう Dog Ears 2 (ファミ通文庫) (2012/09/29) 更伊俊介 商品詳細を見る |
イラスト/鍋島テツヒロ
ある日突然、強盗に殺された俺。だが本バカゆえの執念で奇跡の生還を果たした…犬の姿で。悶える俺の前に現れたのは、ハサミが凶器のサド女、夏野霧姫。どう見ても不審者の夏野と暮らす事になった俺はどうなるの! ?
兄が犬として生きている事を知っているか否か、という違いがはっきり出ていると感じる妹!?
本筋はエキセントリックな美少女主人とビブリオマニア犬の日常を描いた作品です(笑)が、サブ要素として犬になったお兄ちゃんとお兄ちゃんの事が大好きな妹の関係性でも萌えます。ストーリーはネタバレになってしまうのであまりかけませんが、今までにないパターンのストーリーでした。また読みやすくするための工夫であり、その点も◎です。本編とは別に様々なキャラクターが掘り下げられていて面白い。和人の思考が伝わるか、また和人が犬として生きている事を知っているか否か、という違いがはっきり出ていると感じる妹。しかしながらその妹から見える世界にも彩があるということがきっちり描かれていてよかった。
シュヴァルツェスマーケン 1 神亡き屍戚の大地に (ファミ通文庫) (2011/05/30) 吉宗 鋼紀、内田弘樹 他 商品詳細を見る |
イラスト/CARNELIAN
それでも俺は、君を守りたいと思ったんだ……。
一九八三年。異星起源種BETAの侵略を受ける東ドイツは血みどろの消耗戦を続けていた。
テオドールは、最強と謳われる戦術機中隊「黒の宣告」の一員でありながら国も人も信じず、己が生き残るためだけに戦う衛士であった。
そんな彼が、戦場で孤立した西ドイツ軍の衛士の少女を助け……。
大人気PCゲーム『マブラヴ オルタネイティヴ』の物語より遡ること一八年前――欧州の苛烈な戦争に身を置く若き衛士たちの、生死を賭けた戦いがいま語られる!!
絶望と不安と恐怖が臓腑が締め付けられるラノベらしくない作品。
BETAよりも人間のほうに恐怖を感じる!?
この作品のあらすじを簡潔にまとめると「侵略者とのロボットと戦争」ですが同時に(主に悪い意味で)人間らしさにあふれている作品です。「戦争」自体よりその中での登場人物達が織り成す「ドラマ」が最大の見所です。この作品を取り巻く雰囲気は先に述べた通りお世辞にも「ライトノベルらしい」とは言えません。寧ろ「どこら辺がライトなの?」と訊きたくなるような泥臭く現実路線の暗さを展開しています。当然言うまでもなく『トータルイクリプス』よりもかなりシビアな作りになってます。蔵で東西ドイツの話を下地にしており、ゲシュタポやKGBに匹敵するレベルでトラウマのあの国家保安省(シュタージ)が登場します。ラノベでこんな設定が出てくるとは。主人公完全にシュタージに去勢されてるし重すぎで、架空戦記が好きな方は本当にお薦めです。
も女会の不適切な日常2 (ファミ通文庫) (2012/05/30) 海冬 レイジ 商品詳細を見る |
イラスト/赤坂 アカ
海冬レイジ×赤坂アカの強力タッグがファミ通文庫で実現!!
部活名:「もっと学園生活を豊かにする善男善女の会 部」
目的:青春を謳歌すること!
メンバー:(1)ちだね先輩。僕の愛しの青春☆ヴァカ。
(2)繭。化学実験厨。ちだね先輩の寵愛を独占。僕嫉妬。
(3)ユーリ。僕の従妹で義妹。暴力女。
(4)雛子。エア参加。ガチ百合。
(5)僕、花輪廻。女子扱いされるけどお願いヤメテ。
そんな「も女会」の活動はヘンテコでドタバタだけど、それなりに平穏だった。
あの頃は、そう思っていた。
あの少女【アイ・ド・ラ】に出会うまで、僕らの日常が本当は”不適切”だったなんて、知らなかったから――。
平凡な日常がこんな急展開を迎えるとは・・・
題名からどうせよくあるパターンだろ?とか舐めてました。すいません。!?
私が何を読んでいるのか分からなくなった。前半の日常ハーレム系の話から、中盤以降SFチック、サスペンス、タイムリープな内容に急変という衝撃を受けつつ、超展開に良い意味で裏切られて、いつのまにかSFめいた謎のジャンルモノを読んでいた(笑)。無駄な属性要素を無くして二転三転するストーリーは十分に小気味良く楽しめました。 むしろ、ラノベにして損してるんじゃ・・・?の豹変っぷり。アニメ化したら結構話題になりそう。その変化自体も最初は某「アレ」っぽいかな、と思ったけど、独自色も出てる。もうひとつ驚いたのが、このネタなのにシリーズ化していること。SFミステリ好きは手を出しても良いかも。
ふぁみぷれっくす ぼりゅーむ1 (ファミ通文庫) (2010/07/30) 築地 俊彦 商品詳細を見る |
イラスト/河原 恵
パパで弟でおにいちゃん! それは“ぷれい”か“こんぷれっくす”か!? 放浪者の父のせいでいきなり引越し、一軒家に一人で住むことになった深栖仲仁。ところが引っ越した先のその家の中には、仲仁を見つめる大・中・小、三人の女の子が! 名前は佐恵、澄実、里空の三姉妹……ってさっきログインしたSNSの日記と同じ? しかも一緒に住まないかって、そんな冷静に、年頃の娘たちがそれでいいのかよ!? ある日突然パパで弟でおにいちゃん! 築地俊彦が描く、ハーレム以上家族未満ラブコメ、れっつぷれい!
ある日現れた両親不明の三姉妹。
そして突然パパで弟でおにいちゃんになった!?
たまたま買った本に書かれた謎のアドレスに飛んだら、未来の出来事が書かれているSNSの日記を見つける主人公。未来のことが書かれているSNS、両親不明の三姉妹、突然現れた三姉妹、ファザコンの澄実・・・おもしろそうな要素はそろってる。これが如何なる意味を与えられているのか…。家族をテーマにしたラノベとして展開すると思わせておいて、「美少女と同棲して両親が居ない」という、新鮮味のない設定。しかも両親が世界を飛び回る怪しい人物、今後どう絡んでくるのか…。 とりあえず今回の主人公は超鈍感男でなくて良かった。んー三姉妹は皆可愛い(河原さんの挿絵もあって)んですが、性格的にイラッと来る瞬間が少なからずw 今後、どんどん里空と仲良くなっていく仲仁を澄実がヤンデレ気味に嫉妬していく展開が待ってると愉快だろうな。キャラ立てもキッチリしてるし、引きも次巻への興味を煽る終わり方で、なかなか好感触な1巻。もしも、アニメ化したとしたらアニプレックス製作だろうな。
サイコメ 3 殺人希と期末死験 (ファミ通文庫) (2013/08/30) 水城水城 商品詳細を見る |
イラスト/生煮え
お兄ちゃんのことを、世界で一番愛してるっ!
仮釈放の懸かった期末試験も近いある日、転校生がやってきた。異例の入獄となった人物は神谷綾花!
「やっと会えたね、お兄ちゃんっ! 」と笑顔の妹に京輔は愕然。
しかし、兄に会いたいがため殺人未遂を起こしてしまった綾花の心境を知り、京輔は深い自戒とともに周囲の殺人鬼から綾花を守る決意をする。
一方、京輔の最愛の人 "アヤカ" が妹と知った氷河煉子の様子が一変し……。
LOVE=KILL! 恋するほどに危険なハードコア系ラブコメ、激震の第3弾!
3巻でついに主人公のヤンデレ妹登場!?
可愛い妹は頭脳明晰で料理上手でお兄ちゃんLOVEな超ヤンデレちゃん!
結論から言うと設定が奇抜で、刺激的な点から面白いが読了後の感想は、疲れた。疲れる理由としては設定上常に命の危険が見にまとい、特異なキャラもどれを安心して感情移入すればいいのか分からないからだ。明らかに普通のラブコメじゃない。先生といい生徒といい、ネジが外れたキャラばかり、大袈裟な振る舞いという点で皆描き方がステレオタイプ気味。 主人公は大量殺人事件の冤罪を被せられた身であり、その真相が1巻終盤に怒涛の展開で明かされる。そして主人公の妹がメインの3巻。主人公の妹は頭脳明晰で料理上手な可愛い超ヤンデレ妹でした。まあ、なんというか……その……生煮えさんのイラストからもヤンデレ臭漂っているから予想通りですよね。可愛さの中に心の病気を患っている感があります。主人公を追ってプルガトリウム更生学院に自らやってくるというかなりのブラコンで、主人公を追うための手段を考えればわかるとおりヤンデレ…ですね。3巻はそんなお兄ちゃん大好き妹がメインで他のキャラクター達と絡んでいくお話…というより妹が嫉妬していくお話。久留宮先生の言うとおり、放置しておいてもそのうち自然のこの子は殺人を犯していたでしょう。典型的なサイコパス、お兄ちゃんを殺して私も死ぬ。二人だけの世界に旅立つの……な妹ですしね。綺麗なヤンデレでしたけど結末が少々物足りなかったかな。もうちょい病ませてほしかったかな…。 舞台の都合上、暴力的表現や下ネタが多く、良くも悪くも尖った作品なので、好みは大きく分かれるでしょうが、一風変わったラブコメが読みたい、という人にはオススメです。