レスキュードッグ・ストーリーズ | 雑読日記

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読んだ本の感想など

樋口明雄「レスキュードッグ・ストーリーズ」です。
南アルプス北岳を舞台にした、山岳救助隊が
主人公の連作シリーズですね。
何冊が読んでいるはず。

このシリーズは登山を全然知らないこともあって
うんちくも楽しく、安定して面白いです。

今回の中で気になったのは、普段は山岳にいる
主人公たちが機動隊の応援に行って、
環境保護団体と衝突するエピソードでしょうか。

作品の性質上、環境保護側に同情的な描写と
なっていることは納得できますし、
公権側の横暴さを描くのも理解できます。

しかし一方で、機動隊員が命令に従わない
主人公たちに暴力をふるうのと同等かそれ以上に、
環境保護側がその運動活動に子供を動員するのも
醜悪で下劣なことである、と感じます。

本作がそういう受け取られ方を想定して
描かれているかどうかは分かりませんが、
ちょっと気になるところでした。