これもジャンル的にはミステリなのかな。
二作連続で私向きでない作品でした。
塩田武士「雪の香り」です。
2012年を舞台に、新聞記者である主人公のもとに
12年前に失踪した元恋人が現れるお話と、
12年前の2000年に二人が出会った頃の話が
交互に綴られてゆく形式です。
元恋人の女性は冒頭で殺人事件に関係しているのでは
ないかということが仄めかされて、主人公はその真相を
なんとか探ろうとする、というのが筋立て。
過去と現在の生活を交互に語ることで
二人の思い出や、現在のはかない生活を対比して描いており
そこらへんが読みどころなのだと思います。
しかしねー……この彼女に魅力がないんですわ。笑
ひとの好みはそれぞれなので単に私の好みの問題ですが、
本書のヒロインのような男を振り回す系はちょっとね。
そのせいで、主人公がどうしてそこまで彼女に惚れるのか
というところから気持ちが進まず、共感性皆無でした。
小説を読むのに必ずしも共感は必要ないかもしれませんが、
本書の構成だとやっぱりちょっと辛いかなという感じです。
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雪の香り (文春文庫)
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