まほろ駅前多田便利軒 | 雑読日記

雑読日記

読んだ本の感想など

映画が公開されているそうで、文庫の表紙が変わりました。

私が買ったのも映画対応されたやつです。

三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」です。


東京都まほろ市、明らかに町田をイメージした

架空の町を舞台にして、鬱屈を抱える二人の男が

「便利屋」を営む物語です。

直木賞受賞作ですが、ちょっと意外な気も。


いや、もちろん面白かったのですけどね。

私は直木賞受賞作を必ず読むわけではありませんが、

いままで読んだ印象としては、もっと直接的に面白い作品が

受賞作になっているような感じがします。


本作の魅力は、陰々として分かりづらいと申しますか、

誰でも多少は持っている、他人には隠しておきたいものを抱え

ときにその抱えたものが暴れようとするのを堪えながら

ツマラン日々を暮らしていく様にあるように思います。


その意味において、本書ラストにおいて

主人公である多田の抱える問題が明らかにされることは

実は蛇足でしかないようにも感じられました。


続編もあるようですので、文庫を楽しみに待ちたいと思います。



bk1 → http://www.bk1.jp/product/03069507


まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)/三浦 しをん
¥570
Amazon.co.jp