ナイン | 雑読日記

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読んだ本の感想など

草野球を題材に、青春小説の名手が贈る年齢に関係のない青春小説。
川上健一「ナイン」です。

野球が好きで、なんでもいいから野球に関係したい人集まれ、
という呼びかけから集まった、老若男女9人による草野球チーム、
その名も「ジンルイズ」の軌跡=奇蹟をたどる物語です。

下は二十歳から、上は八十一歳まで。
ピッチャーは女性、ファーストは外人、サードはアナウンサー志望、
ライトは元プロ野球選手、多士済々と言うか玉石混交と言うか。
ともかくバラエティに富んだ登場人物たちが楽しいです。

ストーリー自体はやや平凡ではありますが、
途中ファンタジックに進めるのかと思ったところで
ラストがちょっとひねってあるところがミソでしょうか。
でも、本書はストーリーを読む小説ではないと思います。

面白い人たちが、面白いことをやっている。それを楽しんでいる。
草野球の、アマチュアスポーツの楽しさを描き、
読むのが本書の主眼なのだろうと感じました。

インドア派の私にとっては、少々うらやましい話でもあります。

ナイン/川上 健一
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