小腸は胃に続く中空器官で、腹腔内を曲がりくねって走行し、大腸に移行します。十二指腸・空腸・回腸の3部に分けられます(全長6m)。

食物から摂取された栄養素のほどんどが小腸で吸収されます。そのため、小腸は吸収に優れた構造となっています。栄養素をたくさん吸収できるよう、表面積を拡大してくれているのは、
  ①輪状ヒダ
  ②腸絨毛
  ③微絨毛
この3つです。
(注:下の図は足ふきマットを拡大したものです)
①輪状ヒダ
内腔に突出しているヒダ。十二指腸では下方に行くほど増加し、空腸上部で最も発達し、回腸ではヒダは小さく不規則となり、回腸の末端では消失します。

②腸絨毛
粘膜表面に密生している長さ1mmほどの突起。(粘膜1mm2あたり約30本、小腸全体では500万本以上存在します)

③微絨毛
腸絨毛の表面をおおう長さ1μmほどの毛。この表面から栄養素が吸収されます。(単層円柱上皮細胞1個当たり約600本生えています)
※輪状ヒダ・腸絨毛・微絨毛により表面積は体表面積の100倍にもなります(テニスコート1面分)。栄養素吸収面積の拡大は毛細血管とリンパ管への栄養素の吸収を可能にします。

今回の教材は輪状ヒダの表面に密生する「腸絨毛」のひとつを拡大したものです。腸絨毛の表面は「微絨毛」という細かい毛が密生しています。 

粘膜上皮は単層円柱上皮です。単層なので、透過性が良く、栄養素の吸収に優れた構造になっています。

粘膜上皮の間には杯細胞という、粘液をつくる細胞も点在しています。
腸絨毛と腸絨毛の間には腸腺があり、2種類の腸液を分泌します。
①十二指腸腺(ブルンネル腺)
 十二指腸にのみ存在し、粘液に富むアルカリ性の腸液を分泌します。
②腸腺(リーベルキューン腺)
 小腸全体に存在し、消化酵素を含む弱アルカリ性の腸液を分泌します。

粘膜固有層には、ごま粒大に散在するリンパ小節と、リンパ小節が集まって小判状になった集合リンパ小節(パイエル板)が存在します。パイエル板は回腸下部に多く存在します。
中心リンパ管の周囲には毛細血管が網状に取り巻き、ここから糖質とタンパク質を吸収します。

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