胸筋は、浅胸筋・深胸筋・横隔膜に分けられます。

浅胸筋には
・大胸筋
・小胸筋
・鎖骨下筋
・前鋸筋
があります。


【大胸筋】

起始:鎖骨内側1/2(鎖骨部)、胸骨、
   第1~7肋軟骨(胸肋部)、
   腹直筋鞘(腹部)
   ※ 3つの筋の線維は互いに交差します。

停止:腱は平たく5〜7cmの幅で大結節稜に付着

作用:肩関節の屈曲、内転、内旋

神経:内側胸筋神経(C5、C6、C7)、
   外側胸筋神経(C8、T1)

補足:腋窩の前壁を作ります。両腕を広げて深呼吸するときは、肋骨を引き上げるため呼吸補助筋となります。肩関節を屈曲・伸展させることにより、前鋸筋の肩甲骨外転を助けます。大胸筋と三角筋全部線維は一緒に働きます。

筋トレ:肩関節を水平外転させて内転させる動作で大胸筋はよく働きます。仰臥位になりバーベルを胸の上で上げ下げするベンチプレスは大胸筋を鍛えるもっとも有効なエクササイズのひとつです。

ストレッチ:肩関節を水平伸展することでストレッチできます。肩関節を完全に外転すると大胸筋の下部をストレッチでき、完全に伸展すると大胸筋上部のストレッチになります。


【小胸筋】

起始:第2~5肋骨前面

停止:肩甲骨の烏口突起

作用:肩甲骨の関節窩を前下方に向け、上腕を前方に伸ばす(肩甲骨下方回旋)。吸気補助筋。

神経:内側胸筋神経
   (C5、C6、C7)
   外側胸筋神経
   (C8、T1)

補足:腋窩の前壁を作ります。地面に落ちたものを、腕を前方に伸ばして拾うときに働きます。肩甲骨が固定されているときは肋骨を挙上し、呼吸補助筋となります。

筋トレ:腕立て伏せのような、腕を前方に突き出し、肩甲骨の外転だけを行う際に、前鋸筋とともに力を発揮します。前鋸筋が肩甲骨を外転・上方回旋させる作用をもつのに対し、小胸筋は肩甲骨を外転・下方回旋させる作用をもちます。したがって、この2つの筋が同時に働くことで、上方回旋と下方回旋の2つの動きは相殺され、結果として単純な肩甲骨の外転のみが生じます。

ストレッチ:ウォールプッシュアップ(壁に向かって腕立て伏せ)は小胸筋の柔軟性を向上させるのに役立ちます。


【鎖骨下筋】

起始:第1肋骨前端(肋軟骨接合部)

停止:鎖骨中央部下窩

作用:鎖骨を内下方に引き、
           胸鎖関節の脱臼防止、肩甲骨下制

神経:鎖骨下筋神経(C5、C6)

補足:鎖骨下面に沿って走る小さな筋で、体表からは触診できません。上腕の強い運動の際、鎖骨が過度に引っ張られないよう固定し、胸鎖関節の脱臼を防ぐ働きをします。直下を走る鎖骨下動静脈のクッションの役目も果たします。

筋トレ:ディップス(ディッピング)のような、鎖骨と肩甲骨を下制するような動作で鍛えられます。ディップスのやり方は、肩幅よりも少し広めの幅で平行棒(バー)を持ち、足を浮かせ、前傾姿勢になります。その姿勢で両肘を同時に曲げ伸ばしする運動です。

ストレッチ:肩甲骨を過度に挙上することで、鎖骨下筋はストレッチされます。


【前鋸筋】

起始:第1~9肋骨外側面

停止:肩甲骨内側縁前方(上角~下角)

作用:肩甲骨を前外方に引き、胸郭に固定します(上部は肩甲骨外転、下部は上方回旋)

神経:長胸神経(C5~7)

補足:腋窩の内側壁を作ります。起始は1〜9個の筋尖をもち、その部が外腹斜筋の起始と合わさり、のこぎり状となります。肩甲骨が後方に飛び出る(翼状肩甲)は前鋸筋の機能が低下していることを表しています。

筋トレ:腕立て伏せの、特に肘を伸ばす最後の5〜10度のところでよく使われます。ベンチプレスやオーバーヘッドプレスは前鋸筋を鍛えるのにとても効果的なエクササイズです。

*ベンチプレス:ベンチに仰向けになり、バーを握り、バーを胸まで下ろしたり上げたりするエクササイズです。

*オーバーヘッドプレス:ベンチに座るか立った姿勢で、肩の上の高さでバーを握り、肘が完全に伸びるまで頭上に上げたあと、もとの高さに戻すエクササイズです。

ストレッチ:部屋の角に向いて立ち、それぞれの手を肩の高さに上げ、2つの壁に付けて、壁を押すことでストレッチされます。上体を前傾させるにしたがい、肩甲骨は内転位にもっていかれることで筋がストレッチされます(ウォールプッシュアップ)

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