表情筋は頭蓋骨から起こり皮膚に停止する皮筋です。皮筋とは、骨や筋から起こり、もう一方の筋の端が皮膚とつながっている筋のことです。表情筋を収縮させることにより、顔面の皮膚にシワやへこみができ、豊かな表情を作ることができます。
【前頭筋】
眉を上げて額に横ジワを作ります。
【眼輪筋】
上下のまぶたを閉じます。
【側頭筋と咬筋】
ものを噛むときに働きます(側頭筋と咬筋は表情筋ではなく、咀嚼筋の仲間です)。歯の食いしばりがあると咬筋が硬くなり、エラが張って見える一因にもなってしまいます。
少し深層にあり、口角を外側に引き、食べ物を食べるときに唇と歯の間に食べ物がたまらないようにします。
【広頸筋】
表情筋ではなく頸部の筋の仲間ですが、筋の一端が口角に付いているため、口角を下に下げる働きをします。
鼻翼と上唇を引き上げます。
【大・小頬骨筋】
口角を上外方へ引き上げます。
【オトガイ筋】
アゴの先をしわしわにします(梅干しを食べたときの表情)
口角を外方に引き、横長にします。ときにエクボを作ります。
【口角下制筋】
口角を下方に引きます(への字口)。
【下唇下制筋】
下唇を下方に引きます。
【鼻根筋】
鼻根に横のシワを作ります。
★の部は「モダイオラス(口角結節)」といい、小臼歯の頬側部に位置する、コリコリした部です。ここには、口輪筋・頬筋・口角下制筋・大頬骨筋・小頬骨筋・上唇挙筋・下唇下制筋など多くの筋が交錯する部です。ここをマッサージするだけで、多くの筋にアプローチできるので、美顔治療には欠かせない場所です。
上まぶたを上げる上眼瞼挙筋の筋力低下により、前頭筋を使ってまぶたを上げるようになると出来やすいシワです。目を大きく見せようと、頑張って目を見開くのも一因となります。
②鼻根の縦ジワ
皺眉筋の使いすぎが一因となります。ものを見るときに眉間にシワを寄せて見たり、目を閉じるときに一緒に眉間も寄せるクセがあると出来やすいです。
③鼻根の横ジワ
鼻根筋の使いすぎが一因となります。顔をしかめてものを見るクセがあると出来やすいです。
④目尻のシワ(カラスの足跡)
眼輪筋の使い過ぎが一因となります。笑うとき、口角を上げるだけでなく、眼輪筋を過度に使ってしまう場合に出来やすいです。
⑤インディアンライン
骨から皮膚が取れないようにつなぎとめている保持靭帯がある場所のことです。重力負けした眼輪筋(下半分)や浅頬脂肪が保持靭帯に乗り、引き伸ばされることでたるみやくぼみができたものです。
⑥鼻唇溝(ほうれい線)
上唇挙筋、大・小頬骨筋の筋力低下が一因となります。その状態で口角を横に引いて話すことがくせになっている場合に起こりやすいです。
⑦頬の縦ジワ
笑筋の使いすぎが一因となります。エクボが縦ジワに変化することもあります。
⑧唇の上の縦ジワ
口輪筋の使いすぎが一因となります。口から食べ物が出ないように、口先が力んでいる場合に起こりやすいです。
⑨マリオネットライン(二重ほうれい線)
頬下部の脂肪(広頸筋前脂肪)が下垂し、口角下制筋や保持靭帯でくい止められることで、たるみが生じたものです。
⑩首の縦索、横ジワ
広頸筋の使いすぎが一因となります。猫背姿勢でアゴを上げてPC作業をするなどのクセが付いている場合に起こりやすいです。
シワやたるみの原因になっている表情筋の拘縮軽減、そして可動域改善を目指し、以上の筋へのアプローチを心がけましょう。他動的にメンテナンスをしてもらうことも大切ですが、日々のセルフケアが大切です。モダイオラスのマッサージは毎日、意識して行いたいですね。
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