以前に作成した眼球の教材ですが、大型連休を利用し、さらに丈夫で分かりやすいものを作ってみました!

以前の眼球教材ブログはこちらをご覧ください。

教材の構造自体にに変化はないので、内容を目の病気に注目して説明していきたいと思います。
↑3層構造の眼球の最も外側にある線維膜です。
強膜は白目(しろめ)の部分で、表面は結膜という膜におおわれています。結膜は白目の表面からまぶたの裏側までをおおっている膜で、細菌やウイルス、ゴミや花粉などにより結膜が炎症を起こしたものを結膜炎と言います。
角膜は無色透明で丈夫な組織でできており、コンタクトレンズを装着する部分です。角膜には血管がないため、細胞に必要な酸素の供給は、おもに涙を通して運ばれますが、コンタクトを装着していると涙の供給が阻害され、酸素をうまく受け取ることができなくなってしまいます。また、コンタクトレンズ内に入りこんだゴミなどにより角膜が傷つき、感染症を起こしやすくなります(感染性角膜炎)。
↑線維膜の裏側には角膜の周囲を取り囲むようにシュレム管があり、ここから眼房水が眼球外へ排出されます。眼房水は血管をもたない角膜、水晶体、硝子体に栄養を与える液体であり、さらに目の硬さ(眼圧)を決める要因にもなります。眼房水は常に毛様体で産生され、眼球内を循環し、シュレム管へ排出されていますが、何らかの原因によりシュレム管への排出が阻害され、眼圧の上昇により視神経が圧迫されると緑内障を発症します。緑内障は我が国における失明原因の1位を占めています。
↑眼球の中膜である血管膜です。
ここには瞳の色を決める虹彩があります。虹彩内にはメラニン色素が存在し、この色素の量により瞳の色が変わります。先天性色素欠乏症(アルビノ)の場合、メラニン色素がほとんどないか、あっても少量となり、色素量により瞳の色も淡青色や淡褐色など変わってきます。メラニン色素がほとんどない場合は無色半透明で、眼底の血液の色が透け、瞳孔とともに鮮紅色となります。
↑血管膜を裏から見てみます。
毛様体は水晶体の厚さを調節しピント調節に働く輪走筋で、この筋がゆるむとレンズは薄くなり、遠くにピントが合います。逆に近くのものにピントを合わせるためには、毛様体を収縮させレンズを厚くします。ケータイなど小さな画面を長時間見続けると、毛様体を長時間酷使し続けることになるため、筋は凝り固まりピント調節がうまくいかなくなります。これが近年話題のスマホ老眼です。
↑眼球の最も内側にある網膜です。瞳孔から光を当て眼底を見ると、上図のような部位が確認できます。
黄斑にはものの色や形を認識するための錐体細胞が密集しています。つまり、何かものを見ようとする際には、つねに黄斑にピントを合わせています。光は黄斑以外の網膜部分でも感じることができますが、ぼんやりとしか形を認識できません。文字を認識する力(視力)は黄斑の働きで決まってしまうのです。
加齢黄斑変性は加齢により黄斑の組織が萎縮したり、脈絡膜にできた新生血管により錐体細胞が傷害され、網膜の中心部分が見えにくくなり、視力が低下します。また、網膜の腫れなどにより、ものが歪んで見えることもありますが、障害される部位が黄斑部のため、歪みは中心部のみのことが多いです。

また、黄斑の周囲には、周辺視野や暗い中で光を感じるための杆体細胞が多数点在しています。
網膜色素変性症では、杆体細胞から障害されることが多いため、まず最初に夜に見えにくくなる(夜盲)症状が現れることが多いです。また、周辺の視野から徐々に狭くなっていきます。さらに症状が進行すると錐体細胞も障害され、視力低下を起こすこともあります。

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