東洋医学とは、主に中国やインド、日本で発達し、自然哲学思想を基礎にした実践的な治療医学です。
西洋医学のように病を分析的にとらえるのではなく、病を全体的なものとしてとらえます。
そして、全体的に診断してできた「証」というものが、その患者の治療方針をも決めるものとなるため、証をしっかりと立てることが東洋医学では重要とされています。

東洋医学の重要な考え方のひとつに、陰陽というものがあります。
この世のすべてのものは陰陽からなり、また、すべてのものが陰陽の2つに分けられるという考えです。陰は静的・寒冷的なものであり、反対に陽は動的・温熱的なものです。
陰陽太極図(陰陽魚)は陰陽論の基盤となる考えを示したものであり、陰と陽のバランスを表しています。黒い部分が陰、白い部分が陽を表しています。
この陰陽の勾玉を合わせてみましょう。
ぴったり同じ形になりますね。
つまり、陰陽のバランスがとれ、健康な状態を表しているということです。病的な状態になると、この陰陽のバランスは乱れてしまいます(陽虚・陰虚・陽実・陰実)。
勾玉のような形にも意味があります。
陰(黒色)は下に行くにつれ大きくなっていきます。これは陰が下降的な性質をもっており、下降するほど気が盛んになっていることを表しています。反対に陽(白色)は上に行くにつれ大きくなっていきます。これは陽が上昇的な性質をもっており、上昇するほど気が盛んになっていることを表しています。やがて陰は陽を飲み込もうとし、陽は陰を飲み込もうとします(陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる= 陰陽転化 )。

陰陽がともに盛んになるということはありません。陰陽太極図を横のラインでみてもらうと、どちらか一方が優勢になっている場合には、どちらか一方は劣勢となっています(陰虚すれば陽実し、陽虚すれば陰実す= 陰陽消長 )。
また、陰陽の勾玉のそれぞれの中に反対の色の部分が入っています。陰(黒色)の中の陽(白色)の部分を「陰中の陽」といい、
陽(白色)の中の陰(黒色)の部分を「陽中の陰」といいます。いくら陰陽の一方が強くなったとしても、それぞれの中には反対の性質をもつものが存在するということを表しています(陰陽可分)。つまり陰陽太極図は、100%陰、もしくは100%陽という状態はないということです。

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