骨格筋は、細長いヒモ状の筋線維(筋細胞)が集まり、束になってできています。そして筋線維は、さらに細長いヒモ状の筋原線維が集まり、束になってできています。
筋原線維は、アクチンフィラメントという細いタンパク質(太さ7〜10nm、長さ1.0μm)と、ミオシンフィラメントという太いタンパク質(太さ12〜15nm、長さ1.7μm)が交互に配列してできています。骨格筋を顕微鏡で観察する際に横紋(縞模様)が確認できるのは、アクチンとミオシンの規則正しい配列があるためです。
アクチンとミオシンの関係を立体的に表したものです。
ミオシンはこのように、アクチンの中に滑り込んでいるような形で位置しています。

アクチンとミオシンの位置関係を理解したところで、顕微鏡で観察できる横紋が、アクチンとミオシンの配列のどの部分を表しているかについて見てみます。
◎I帯
別名は明帯。横紋の明るく見えるところ。アクチンがミオシンと重ならない部分。
◎A帯
別名は暗帯。横紋の暗く見えるところ。ミオシンの部分。
◎H帯
A帯の中央で、やや明るく見えるところ。ミオシンのみの部分。
◎Z帯
I帯の中央にある区切り。Z帯とZ帯の間のことを筋節(サルコメア)という。筋節は収縮の単位となる。
立体的に見てみると、H帯はこの部になります。

筋収縮の際にはアクチンがミオシンの中央に向かって滑走します。このとき、アクチンとミオシンの長さは変わりませんが、筋節が短縮するので筋肉の収縮が起こります。
つまり、筋収縮により範囲が縮まるのは、筋節、I帯、H帯となります。A帯はミオシンの部分のため、筋収縮が起きても範囲は縮まりません。
立体的にも見てみます。
このように、ひとつひとつの筋節の範囲が縮まり、全体として骨格筋が収縮をします。