前回に引き続き、今回も伝導路についてです。今回は「長後索路」について説明します。長後索路は、前回説明した外側脊髄視床路と同じく、感覚情報を大脳に伝える伝導路なので、上行性伝導路になります。長後索路が伝える感覚は触圧覚です。受容器で受け取った触圧覚の感覚は、3本のニューロンを経由して大脳皮質に行きます。3本のニューロンをそれぞれ、一次ニューロン(黄色のヒモ①)・二次ニューロン(青いヒモ②)・三次ニューロン(赤いヒモ③)といいます。
まず、一次ニューロンの経路です。触圧覚の受容器(マイスネル小体・ルフィニ終末など)からの情報は脊髄後根にある脊髄神経節を通り、脊髄後索を延髄に向かって上行します。
*一次ニューロンが脊髄でニューロンを交代しないのがポイントです。
延髄まで上行した一次ニューロンは、延髄の後索核で終わります。
次に二次ニューロンです。後索核で一次ニューロンの情報を受け取った二次ニューロンは反対側の内側毛帯に交叉し(これを毛帯交叉といいます)、上行します。
二次ニューロンはさらに中脳の内側毛帯を上行し、視床で終わります。
三次ニューロンは視床で二次ニューロンの情報を受け取り、内包を通り、大脳皮質の体性感覚野に終わります。受容器で受け取った触圧覚の情報は、このように3本のニューロンを経由して、大脳まで伝えられます。